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OKRシートおすすめテンプレート5選|メリットと記入例・導入時の注意点も解説
執筆者:茅原淳一(Junichi Kayahara)
『資金調達の手引き』
調達ノウハウを徹底解説
資金調達を進めたい経営者の方の
よくある疑問を解決します!
OKRとは、Objectives and Key Resultsの略称です。
目標を設定して管理する人事管理方法の1つで、近年はGAFA(Google・Amazon・Facebook(現:Meta)・Apple)を始めとして多くの大手企業がOKRを取り入れた目標管理を行なっています。
OKRを企業に導入する際には、管理シートに目標や成果を明記していくのが一般的です。
しかし、「どんな方法でOKRシートを作成したらよいか分からない。シートの記載方法が不透明」という人も多いのではないでしょうか?
本記事では、OKRシートの作成方法や記入時の注意点を具体的な記入例とともに詳しく解説していきます。
改めて評価制度について学び直してからOKRシートの作成方法や記入時の注意点を理解したい方は、以下の記事で詳しく解説しておりますのでこちらをご覧ください。
⇒評価制度とは?評価制度の目的・種類・制度の導入時に考えるべきポイントを解説
⇒人事評価とは?人事評価の目的・導入方法・注意点について解説
⇒人事評価シートの記載方法|人事評価シートの目的と職種別評価項目を徹底解説
⇒人事評価制度の作り方|評価を作る際の注意点や成功例についても解説
⇒人事評価の際の目標設定とは?目標設定のメリット・SMARTの法則を解説
⇒人事評価コンサルタント|メリット・デメリット・選ぶ際のポイントについて解説
⇒人事評価面談|面談の目的・進め方・ポイントについて解説
⇒人事評価制度のメリット・デメリット|デメリットの解決策・人事評価制度の失敗例についても解説
⇒人事評価の成功事例10選!人事評価項目の種類・人事評価制度の成功事例を幅広くご紹介!
目次
OKRテンプレートのフォーマットを活用する3つのメリット
OKRシートはテンプレートのフォーマットを活用するのがおすすめです。
完全に自社のオリジナルを作成することも問題ありませんが、テンプレートを活用することによって、次の3つのメリットを得られるためです。
・目標設定を適切に行える
・認識や情報の共有がスムーズ
・効率的なマネジメントが可能
OKRシートのフォーマットを活用することの3つのメリットについて詳しく解説していきます。
また、OKRについては、こちらの記事もご参照ください。
⇒OKR(目標と主要な成果)とは?目標の設定方法・運用の際のポイントを丁寧に解説
⇒OKRを活用した人事評価のポイント|OKR評価を運用するコツも解説
⇒OKRの導入事例10選|OKR導入の流れと実施に向けた注意点も合わせて解説
⇒Google社におけるOKRの運用|Google流のOKR運用のポイントを丁寧に解説!
⇒OKRとKPIの違い|項目ごとの違い・制度の活用例・失敗例についても解説
目標設定を適切に行える
テンプレートのフォーマットを活用することによって目標設定を適切に行うことができます。
OKRを活用した目標設定を行う場合には、次のような点に注意が必要です。
・達成自信度50%〜70%程度のゴールを設定する
・成果指標は定量的に図れる数値などで設定する
この他にもOKRシート作成の際には、注意しなければならない点がいくつかあります。
テンプレートを使用することによって、間違いが起こりにくいというのが最大のメリットです。
認識や情報の共有がスムーズ
テンプレートを使用することによって従業員に対しての情報の共有をスムーズに行うことができます。
OKRにおいては適切な目標を設定し、その目標の進捗度を従業員が確認できることが非常に重要です。
また、OKRでは「会社→部署→従業員」という形で一人の従業員の情報を全社的に共有していくことも大切な要素になります。
全社で統一したテンプレートを使用することによって、全社的に簡単に情報共有が可能になり、従業員の比較も簡単に行うことができます。
従業員1人1人の情報を共有するとともに、従業員の成果も比較できるので、テンプレートを使用することによって認識や情報の共有を全社的にスムーズに行うことが可能です。
効率的なマネジメントが可能
テンプレートを使用してOKRを取り入れた目標管理を実施することによって、効率的なマネジメントを行うことが可能です。
OKRにおいてはチーム間、部署間または個人間で運用方法が大きく異なるのが基本です。この際に、異なるテンプレートを使用していたら管理者側が情報管理を行ったりOKRの成果を確認することが非常に難しくなってしまいます。
同じテンプレートを使用することによって、運用方法が異なったとしても、効率的なマネジメントを行うことが可能です。
管理者側の手間を極力省略し、管理上のミスなどを防ぐためにも、OKRは全社的な統一のテンプレートを使用することが重要です。
OKRテンプレートおすすめ5選
OKRのテンプレートは次の5つがおすすめです。
・Googleスプレッドシート
・ATLASSIAN
・Trello
・Weekdone
・Perdoo
これら5つのテンプレートは使いやすい上に、一般の人にも知られているツールであるために、情報共有をスムーズに行うことが可能です。
おすすめの5つのOKRテンプレートの特徴や活用方法について具体的に解説していきます。
Googleスプレッドシート
身近に利用できるテンプレートの代表格としてGoogleスプレッドシートをあげることができます。
Googleスプレッドシートは、Googleのアカウントさえあれば誰でも無料で利用できますし、シートのURLさえ知っていれば、社内の人間が誰でも共有できますし、特定の人だけに編集権限を与えるなどの権限管理も非常に簡単です。
GoogleはスプレッドシートでOKRシートを提供しており、「Google re:Work」ではチームOKRのスコアカードが記載されているので活用するとよいでしょう。
使い方が分からないという人のために、Googleは使い方ガイドも無料公開しているので、スプレッドシートに慣れていない人でも比較的簡単に使用することができます。
誰にでも身近なフォーマットを無料で利用したいという方は、GoogleスプレッドシートをOKRのテンプレートとして活用するとよいでしょう。
ATLASSIAN
ATLASSIAN社は企業向けのソフトウェアを作成している会社で、企業向けのOKRテンプレートも作成しています。
テンプレートには次のような項目が明記されています。
・目標
・成果指標
・権限者
・スコア
・ステータス
テンプレートを利用するためには申し込みが必要なので、Googleスプレッドシートのように誰もが無料で利用できるわけではありません。
ただし、少人数向けのプランも用意されているので、小規模事業者の方は安価で利用することも可能です。
Trello
Trelloは、ATLASSIAN社が提供するプロジェクト管理ツールです。
Trelloには「OKRs」というOKR共有機能が搭載されており、目標と成果指標、そして達成のための取り組みを入力でき、非常に見えやすいという点が大きな特徴です。
また、OKRをドラッグアンドドロップで直感的に管理できるので、使いやすさも非常に優れています。
プロジェクト管理にTrelloを使用している会社はTrelloのOKRテンプレートを利用することで、プロジェクト管理と目標管理を同時に行うことができ便利です。
Weekdone
3人までは無料で利用できるOKRテンプレートです。
週次レポートの作成や、目標達成に向けた具体的な計画に紐付けなどの機能を利用することが可能です。
目標管理全体を行うツールとして幅広い機能を持っており、OKRテンプレートとして広い範囲で活用することができるでしょう。
ただし、日本語版がないので、使いにくさを感じる方もいるでしょう。
Perdoo
Perdooは、OKR管理ツールを販売している会社でGoogleスプレッドシートにもツールを提供しています。
従業員が少ない会社が活用できるメリットの大きなツールだと言えます。
Perdooは無料で利用できるので、従業員がそれほど多くない小規模な事業者は利用を検討するとよいでしょう。
また、Perdooは英語にはなりますが、OKRの専門用語に関する解説書もついているので、OKRの管理方法が分からないという方にもおすすめです。
OKRのテンプレートに盛り込む内容
OKRのテンプレートには最低限以下の3つの情報を盛り込みましょう。
・社員の基本情報
・目標
・成果指標
社員の誰がどんな目標を掲げ、目標に対してどのような成果を出しているのかを、分かりやすく把握できることが重要です。
OKRのテンプレートに盛り込むべき、3つの指標について詳しく解説していきます。
社員の基本情報
まず社員の基本的な情報を明記しましょう。
基本情報としては氏名、所属、役職などが考えられます。
会社によって、分かりやすい基本情報は必須です。
どのような情報を明記すべきか、十分に検討しましょう。
目標
OKRで最も重要と言っても過言ではないのが目標の設定です。
1番上に企業の目標、次のチームや個人の目標を記載します。
チームや個人が仕事に対してやりがいを感じるようなワクワクする目標で、70%程度の力で達成できる程度の目標を明記するようにしてください。
成果指標
チームと個人の成果指標を明記します。
成果指標はチーム内で何を成果指標とするのかについて話し合ってから決めた方がよいでしょう。
お互いに意見をぶつけ合うことによって、意見の違いや方向性の相違についてすぐに反映させて修正をすることができます。
この他、目標に対する現在の達成状況についても記載できるようにしておくことで、従業員が目標を意識しながら日々仕事をすることができるでしょう。
OKRの記入例
OKRの記入例は次の通りです。
従業員の基本情報 | 山田太郎、営業部、WEBマーケティング課 |
企業の目標 | 3年後に業界シェア1位を獲得 |
企業の成果指標 | 利益率40%獲得 リピート率20%獲得 |
チームの目標 | WEBからの流入率40%を目指す |
チームの成果指標 | 流入経路を半期中に見直し 既存顧客にDMを送りリピート率向上を促す |
個人の目標 | 公式サイトからの流入を目指し、全面リニューアル |
個人の成果指標 | 公式サイトの改善点を1ヶ月以内に列挙 広告タレントの選定 |
現在の達成状況 | 達成状況〇〇点 改善点の半分程度は抽出完了 アンケートを取りイメージに合うタレントを複数人選定した |
このように、
会社全体の目標は何か
→チームの目標は具体的に何か
→そのためにチームとして何を実施するのか
→個人の目標は何か
→目標達成のために個人が達成すべき目標は何か
→目標に対する進捗度はどの程度か
というように、全体から個人へと目標と成果指標を落とし込むことによって、自分の仕事が会社やチームの目標達成のためにどのように役に立っているのかを実感することができ、従業員のやりがいに繋がります。
OKRシート記入時の注意点
OKRシートを記入する際には次の4点に注意しなければなりません。
・目標は具体的に
・目標達成に必要な要素を明確にする
・達成可能かつ高い目標にする
・振り返りができる目標にする
OKRシートを記入する際には、目標に対する進捗度などが従業員にとって分かりやすく、達成可能なものであることが重要です。
OKRシートを記入する際の4つの注意点について詳しく見ていきましょう。
目標は具体的に
記載する目標は数値化してできる限り具体的にしましょう。
特に成果指標は曖昧なものではなく、「目標達成のために具体的に何をすべきなのか」を明確に記載して、従業員が仕事に取り組む上で具体的に何をすべきなのかが明確に理解できる内容にすることを意識してください。
目標達成に必要な要素を明確にする
目標達成のために具体的に何をすべきなのかを、明確に記載してください。「売上〇〇%向上」という目標なのであれば、売上向上のために何が必要なのかを具体的に検討します。
例えば「広告を多く出す」「キャンペーンを増やす」「リピート率向上のためにポイント2倍デーなどを作る」という具体的な方法を記載することが重要です。
チームの成果指標が具体的でなければ、従業員個人に役割や目標を明確に充てることはできません。
目標達成のためには何をすべきなのかを検討し、曖昧なものにならないように注意してください。
達成可能かつ高い目標にする
前提として、Objectives(達成目標)は企業にとって最も重要な課題を設定するべきです。また、絶対に達成できない難しいものでも、少しの努力で達成できる簡単なものではOKRの目標として適していません。
OKRのObjectives(達成目標)は、60%〜70%程の力量で達成できる実現可能な目標である必要があります。30%程の余白は、許容される失敗の枠と捉えることで従業員は新しい取り組みに挑戦するようになります。ただし、OKRと従業員の評価と結び付けないことに注意しましょう。100%達成できる目標を設定するわけではないので、従業員のモチベーションを下げてしまうリスクもあるからです。
達成することで従業員のモチベーションが高まるような、チャレンジ精神にあふれる野心的なObjectives(達成目標)を入念に設定することを意識しましょう。
振り返りができる目標にする
目標設定は振り返りができるものとしてください。
振り返りができることによって、従業員のさらなる成長を促すことができるためです。
今年と去年など、先月と今月など、一定期間内の比較が容易にできるよう、目標設定は数値的なものとなるようにするとよいでしょう。
まとめ
OKRは目標を設定し、その目標を管理することによって会社やチームの生産性と従業員個人のモチベーション向上を図るものです。
全社的に分かりやすく統一されたテンプレートを使用することによって、情報共有と管理が円滑になります。
OKRシートの目標は明確かつ達成可能なものを記載し、「会社→チーム→個人」という流れで目標を落とし込んでいくということが従業員にも分かるような、分かりやすいものを使用しましょう。
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この記事を書いた人
共同創業者&代表取締役CEO 茅原 淳一(かやはら じゅんいち)
慶應義塾大学卒業後、新日本有限責任監査法人にて監査業務に従事。 その後クレディスイス証券株式会社を経て2012年KLab株式会社入社。 KLabでは海外子会社の取締役等を歴任。2016年上場会社として初の信託を活用したストックオプションプランを実施。 2015年医療系ベンチャーの取締役財務責任者に就任。 2018年よりSOICO株式会社の代表取締役CEOに就任。公認会計士。