なぜ建設業許可は必要なのか?

建設業の会社が大きく成長するにあたり、【建設業許可】の取得は大きなポイントになっていきます。
この許可があるかないかで、売上や受注単価が大きく違っていきます。
もちろん、簡単に取得できるものではないため、将来取得に向けての準備をしっかりと行う必要があります。

このブログでは建設業許可について、ポイントをご紹介します。
最後までお付き合いください。

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目次
1 建設業許可が必要な理由
2 建設業許可を取得するメリット
3 建設業許可を取得する際の要件とは?
4 まとめ
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1.建設業許可が必要な理由

建設業界には建設工事のルールブックである「建設業法」があります。
簡単に言うと「このように工事をしなければならない」というルールが書かれているものです。
建物は「建設業法」に従ってつくることが決められているため、違法なつくり方をしたら、完成した建物が違法状態でなくても懲役や罰金が科されます。
人々の生活を支える建設物だからこそ、厳しいルールが決まっているのです。
そして、工事費用が大きくなればなるほど、より厳しく管理されていきます。

今回のポイントである「建設業許可がなぜ必要か」という部分ですが、建設業許可を持たない場合、請け負える工事内容が限られてしまいます。
建設業許可の持たない企業は下記の工事を請け負うことが許されません。

・建築一式工事・・・①税込1,500万円以上の工事、または②延べ面積150㎡以上の木造住宅工事
・その他の工事・・・税込500万円以上の工事
※500万円以上にならないように契約を2つに分けたり、材料代を別計算したりしても、合計金額で判断されます。

許可のない事業者ではこれに当てはまらない小規模な工事のみの受注になるため、売上が伸びません。
今後、従業員を採用し組織を大きくしていく中で、売上向上⇒利益向上は必須事項です。
つまり、建設業許可の有無が、会社の成長スピードに大きく関わってきます。

現在思い描いている将来ビジョンの実現に向けて、建設業許可を取得することを念頭に置いておきましょう。

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2.建設業許可を取得するメリット

規模の大きな工事を受注する以外にも、建設業許可を取得すると様々なメリットがあります。

① 社会的信用の向上

建設業許可を取得するには、様々な条件(経営経験・資格や実務経験・資金等)をすべてクリアすることが必要です。
「建設業許可のある事業者=優秀な業者」と考えられ、発注先や役所からの信用度が高まります。

② 元請業者との関係強化

元請業者が無許可業者に500万円以上の工事を下請に出した場合、元請業者が監督処分を受けることになります。
元請業者の立場で考えると、わざわざ無許可業者と契約するのは面倒です。
このため、下請業者に許可業者が選ばれるケースが多いのが現実です。

③ 公共工事への参入

建設業者として事業を発展させる方法の一つに「公共工事への参入」があります。
公共工事の入札に参加するには「経営事項審査」、略して”経審(けいしん)”を受ける必要があります。
この経審を受ける大前提が、「許可業者であること」なのです。
つまり、公共工事を受注しようと考えるのならば、建設業許可の取得は必須です。

④ 銀行からの信用度のアップ

建設業許可を取得するには、500万円以上の自己資本や預金残高などの財産的な裏付けが必要とされます。
許可業者であれば「一定の経済的水準にある」と、銀行に見てもらうことができます。
つまり、融資の審査がとても有利となります。

もちろん取得のメリットだけでなく「取得できるまでに時間と金額がかかる」「取得した後も5年ごとに一度更新の手続きをしないといけない」というデメリットもありますが、それ以上の大きなメリットを受けることができるでしょう。

3.建設業許可を取得する際の要件とは?

ここまで建設業許可について説明させていただきました。
メリットが大きいので「すぐに建設業許可を取得したい!!」と、思われた方もいるのではないでしょうか?
それでは、建設業許可を取得するためにクリアすべき6つの許可要件を確認しましょう。
(条件等は非常に細かくなってしまうため、ここでは簡単な説明のみとさせていただきます。より詳しい内容を知りたい場合はお問い合わせください。)

① 経営業務の管理責任者(経管:けいかん)
※建設業での5年以上の経営経験を持っている等

② 社会保険への加入
※法改正により2020年(令和2年)10月から新たな要件として加わりました。

③ 専任技術者(専技:せんぎ)
※国家資格等の取得・その業種で10年以上の実務経験の証明等

④ 財産的基礎(財産要件)
※500万円以上の自己資本・資金調達能力があるか等

⑤ 誠実性の要件
※過去に法律に違反する行為・請負契約に違反する行為がないか等

⑥ 欠格要件
※禁固以上の刑を受けた者・暴力団員等

簡単な説明となりましたが、上記6つの条件をすべてクリアすることが建設業許可を取得する際の必須事項になります。

「うちは無理だ!」となった場合でも、あきらめないでください。
細かな条件を確認した結果、クリアできたお客様もいますので、一度お問い合わせいただければと思います。

会社設立の際の社会保険の加入方法について、もっと詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
会社設立の際の社会保険の加入方法|事業所・従業員別の加入条件について解説

まとめ

建設業許可は、専門家の申請でも手間と時間がかかります。
もちろんお客様自身のお時間をいただくケースも多いです。
経営者様が本業に専念するためにも、専門家に任せることをご検討ください。
取得が難しいと言われる建設業許可ですが、取得することができれば大きなメリットを享受することができます。
建設業であれば、ぜひ、許可取得を目指していきましょう。

著 者

SOICO株式会社
共同創業者&代表取締役CEO
茅原 淳一 (かやはら じゅんいち)

慶應義塾大学卒業後、新日本有限責任監査法人にて監査業務に従事。 その後クレディスイス証券株式会社を経て2012年KLab株式会社入社。 KLabでは海外子会社の取締役等を歴任。2016年上場会社として初の信託を活用したストックオプションプランを実施。 2015年医療系ベンチャーの取締役財務責任者に就任。 2018年よりSOICO株式会社の代表取締役CEOに就任。公認会計士。

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