法人化を考える年収の目安|年収以外の検討事項・法人化するベストなタイミングを解説
会社名は他の会社と同じ名前でも問題ないか?他の会社と同じ名前となった場合の懸念点について解説
会社を設立するには、まず会社名を決めなくてはなりません。
社名は自身で決めることができますが、どのような文言でもいいというわけではありません。法律上、社名として使える文字を選択するだけでなく、自身の会社が正しく認知され、円滑に運営していくためにも、既に存在する他社と同じ名前となっていないか、十分に確認して決めるようにしましょう。
本記事では、会社の名前を決めるにあたって確認しておくべき事項や、同じ名前となった場合の懸念点などを解説していきます。
目次
会社の名前は同じでもいいの?
他社と会社名が同じだった場合は、必ず法律違反となるのでしょうか。結論は、かならずしも違反になるとは限らない、ということになります。
たとえ同じ会社名であったとしても、下記の2つの条件さえ満たしていれば、法律的には問題ありません。それぞれについて解説していきます。
・株式会社の表記順が異なる場合
・同じ所在地ではない場合
株式会社の表記順が異なる場合
株式会社の表記を商号に入れる際、商号の冒頭に入れる「前株」の場合と、商号の最後に表記する「後株」の場合があります。
こうした中で、株式会社以外の名称が同じであったとしても、前株か後株かで異なっている場合は、別の商号として見なされるため、登記することが可能となります。
同じ所在地ではない場合
本社の住所が異なる場合、同じ社名であったとしても登記することが可能です。階数や部屋番号が異なることで別の場所として認識されますが、レンタルオフィスの場合は注意が必要です。
同じレンタルオフィスにおいて、同じ会社名を登記することはできませんので、必ず事前に確認するようにしましょう。
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商号に使える文字の制限は?
商号を決めるにあたって、そもそも使用できない文字や表記の方法、逆に表記しなければならない文言などがありますので、最初に確認しておくようにしましょう。以下の4つの内容に分けて解説していきます。
・特殊な文字
・会社の一部署を示す文字
・法律で禁止されている文字
・必ず使用しなければならない文字
特殊な文字
会社の名前として、基本的な漢字やひらがな、ローマ字などを使用することができます。また、ハイフン(ー)やコンマ( , )、アンパサンド(&)などの符号についても使用することができますが、原則として商号の冒頭または末尾には使用することができません。
また、ギリシャ文字やハングル文字などの文字については日本企業の商号・会社名として使用することができません。
会社の一部署を示す文字
会社の商号を表記する上で、社内の一部署を示すような表記を入れることはできません。
例えば、支店、支部などという表記は認められていませんが、代理店や特約店という表記は商号として使用することができます。
法律で禁止されている文字
商号として使用できない文字の中には、法律上使用することができない文字も含まれます。
公序良俗に反するような文言はもちろんのこと、銀行業に当たらない会社が銀行を名乗ることや、信託業でもない会社が信託、として商号を決めることはできません。
必ず使用しなければならない文字
法律上使用できない文字があるのと反対に、法律上表記しなければならない文字もあります。
上述したような銀行業や信用金庫、保険会社などの特定の業種については、それぞれ業種を示す文言を入れなければならない点にも注意しましょう
同一商号として見なされてしまうケースは?
商号が同じとみなされてしまう場合は、次の2つのパターンがあります。それぞれ解説していきます。
・表記が同じパターン
・同一の本店住所に該当するパターン
表記が同じパターン
1つ目は表記が同じパターンです。読み方が違う漢字であったとしても、表記されている文字が同じである場合は、同一の称号と認識されますので、注意しましょう。
同一の本店住所に該当するパターン
もう1つのパターンは、同一の本店住所に該当するパターンです。番地をハイフンで示すなど、住所の表記方法を変えたとしても、同一の住所として判断される場合は、登記することができません。
商号を決める際には、こうしたパターンに該当しないよう注意しましょう。
類似商号に関する法令は?
従来の類似商号制度では、同一の市区町村にある同じ事業目的の会社は、同一あるいは類似した商号の会社を設立することはできませんでした。
しかし、2006年に新会社法が施行され、上記の内容が廃止となり、現在では本店の住所が異なる場合は、同一あるいは類似した商号の会社を設立できるとされています。
このように、徐々に類似商号については制限が緩和されているものの、多くのルールが存在するため うっかりと見落としていたことがないように注意しましょう。
なお、知名度の高い会社と同じような商号をつけることで、不正に利益を得ようとする行為は許されていません。こうした点は、不正競争防止法などで定められており、故意であろうとなかろうと、相応の処罰が科せられます。故意で無い場合は称号の差し止めや損害賠償の請求をされるケースがあり、故意である場合は刑事罰を科せられるケースもあります。
このような事態が起きないよう、必ず事前に他の会社名などを確認しておくようにしましょう。
会社名が同じにならないようにすべきことは?
先ほど述べた通り、会社名が同じまたは類似してしまうと、知らなかったでは済まされず、思わぬ不利益を被る可能性があります。そのため、このような事態が生じないよう、必ず事前に確認しておくようにしましょう。
こうした点を踏まえて、会社名を決めるにあたっての方法と手順を解説していきます。
・会社をよく理解し、キーワードを考える
・他の会社名を確認する
会社をよく理解し、キーワードを考える
会社名を考えるにあたって、どのような会社を設立したいのか、自身の理解を十分に深め、キーワードとなる文言を考えます。
まず会社について考える上で、どのような思いで会社設立に至ったのか、会社が与える社会的な意義や利益は何か、提供するサービスの特徴や目的は何か、また想定している顧客はどのような属性か、などをしっかりと深掘りしていくと良いでしょう。
深掘りが済んだら、提供するサービスや商品に関連するキーワードを考えつく限り挙げた上で、キーワードを略したり繋いでみたり、逆さから読んでみたりして、候補となる会社名を選んでいきましょう。
他の会社名を確認する
候補となる会社名をいくつか選出したら、他社と同じ名称になっていないか確認していきます。会社名である商号を調査していく方法としては、下記の2つの方法があります。
・法務局で調べる
・オンラインで確認する
なお、こうした2つの方法で調べる場合は、それぞれ手間がかかりますので、こうした時間を短縮したい場合は、専門家に依頼して間違いなく登記が可能な会社名を使用するというやり方もあります。
法務局で調べる
法務局で調べる場合、本店の住所を管轄する法務局から調べるようにしましょう。調査自体は無料で行うことができますが、場所によっては商号調査ができない場合もありますので、必ず事前に確認してから法務局を訪問するようにしましょう。
オンラインで確認する
法務局に直接行かなくても、インターネット上で会社名を確認することができます。法務局のホームページにある「登記・供託オンライン申請システム」のオンライン登記情報検索を利用することで、こちらも無料で調べることができます。
なお、オンライン登記情報検索をする方法は以下の通りです。
(1)初めて利用する場合、申請者IDとパスワードを取得する。
(2)登記・供託オンライン申請システムのトップページにある「かんたん証明書請求」を選択する。
(3)申請者ID、パスワードを入力後、ログインを選択する。
(4)【手続分類】商業・法人、【手続名】交付請求書を選択し、「オンライン会社・法人検索を使う」を選択する。
(5)検索条件の欄に、候補となっている商号や本店の住所などを入力した上で、検索を選択する。
(6)すでに登記されている会社があった場合、商号や本店の住所を確認することができますが、登記されている会社がない場合、再検索してください、という画面が表示される。
同一の会社名となった場合の懸念点は?
これまで、会社名を決める上で同一の社名となってもいい場合といけない場合、なるべく同一にならないような決め方について解説してきました。実際に社名か同一となってしまうと、様々な懸念点が生じ得ます。それぞれのポイントについて解説していきますので、必ず確認しておくようにしましょう。
・検索結果が上位になりにくくなる
・訴えられるリスクがある
・自社のサービスが認知されない
・間違いの問い合わせが増える
・ドメインを取得することが難しい
検索結果が上位になりにくくなる
会社名が同じであった場合、ウェブ上で検索されたとしても、設立した会社が上位に表示される可能性は低いことが予想されます。
検索結果を深くまで見る利用者は少ないことが考えられるため、せっかく検索されたとしても、利用者は諦めてしまい、会社が認知される機会が減ってしまいます。
また、それだけではなく、別の会社と勘違いされてしまう恐れもあります。利用者が自身の会社情報を求めて検索していた場合でも、他社の情報と勘違いしてしまう、またはわかりにくいことから依頼しようと思っていたことをやめてしまう、などの損失にも繋がりかねません。
こうした点から、会社名が同一であった場合は、思うような検索結果が得られないことによる弊害が生じてしまいます。
訴えられるリスクがある
他者と類似した名前や同一の社名であった場合、商標権侵害で訴えられてしまう懸念点もあります。
商標権侵害とは、すでに登録されている商標や類似した商標について、登録商標を使用できる権利を持っていない他人が無断で使用する行為を指します。
具体的には、登録されている商標と同じ商品や指定役務に登録商標を使用する行為など、特許庁のホームページに明記されていますので、確認してみると良いでしょう。
また、その他にも上述した通り、不正競争防止法に触れてしまうリスクもあります。不正競争防止法では、広く認知されている他社の影響力を利用することを、著名表示冒用行為として禁止しています。また、他社が提供している商品と類似させ、混乱を招くような行為も禁止されています。
自社のサービスが認知されない
1点目の懸念点の中で、ウェブ上で検索されても他社と勘違いされてしまう場合がある、と述べましたが、ウェブ上に限らず自社が提供しているサービスが別の会社のサービスと勘違いされてしまい、十分に認知されないリスクもあります。
競合他社がいないような事業であればこうしたリスクは小さいですが、すでに一定以上認知された会社と同じ会社名であると、誤った認識を与えかねません。
自社のサービスを理解・認識してもらうにあたって、大きなデメリットとなることが考えられます。
間違いの問い合わせが増える
他社と同一の名称となることで、サービスが認知されないだけでなく、間違いの問い合わせが増えてしまうケースもあります。
上述した通り、ウェブ上で会社名を検索した場合に、他社と混乱を招く恐れがあることから、誤った問い合わせが来てしまうことも十分に考えられます。一回一回の対応にかかる手間や労力を考えると、軽視できない懸念点と考えられるでしょう。
ドメインを取得することが難しい
会社の運営において、社名に基づいてホームページのドメインを取得することが多いですが、会社名が他社と同じだった場合、使用したかったドメインが既に利用されて使えない場合も考えられます。
会社のホームページだけでなく、メールアドレスにも表示されるものであることから、なるべく希望するドメインが利用できるよう、社名を同一とならないようにしたほうが良いでしょう。
まとめ
本記事では、会社名の決め方や会社名が他社と同じであった場合の懸念点やルールの概要などについて解説してきました。
会社の認知を高め、円滑に運営を行っていくためには、会社名は非常に重要な要素です。思わぬトラブルを避けるためにも、本記事でご紹介した流れに沿って会社名を決めていくと良いでしょう。
本記事が、これから会社の設立を考えている方の参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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