株式会社を設立できる人数|会社設立の条件・メリット・デメリットについて解説
司法書士が独立開業するためにすべきこと|年収や独立開業に向けた手順やポイントについて解説
司法書士は、会社に所属するのではなく、自身で独立開業して仕事をすることができます。独立開業ときくと、課題や準備すべきことが多く腰が引けてしまう一方で、年収が高くなるイメージがあるのではないでしょうか。
本記事では、司法書士として独立開業した場合の年収相場や独立開業のメリット・デメリットなどをご紹介していきます。
目次
司法書士の独立開業は儲かるの?
司法書士の試験は合格率が低く、難易度の高い資格ですが、司法書士として独立した場合、どれくらいの年収になるのでしょうか。
まずは、司法書士の平均年収やそもそも独立開業すべきか否かについて解説していきます。
司法書士で独立開業した人の平均年収
「職業情報提供サイト(日本版O-NET)の司法書士」にて集計された結果を見ると、事務所の規模や場所・経営者司法書士か勤務司法書士かどうかなどによって異なりますが、司法書士の平均年収は約971万円とされています。
さらに「司法書士白書 2021年版」に集計された結果を見ると、司法書士として独立開業している場合の平均年収は、約500万円程度から1,000万円以上と幅があり、司法書士としての能力や営業力により大きく差が出てくるため、一概に平均値を決めることはできません。本人次第で、高い年収も狙える職業として考えることができるでしょう。
参考:司法書士白書2021年版
法人化を考える年収の目安について、もっと詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
→ 法人化を考える年収の目安|年収以外の検討事項・法人化するベストなタイミングを解説
勤務司法書士か独立かどちらがいいの?
勤務司法書士は、個人事務所や法人に属した司法書士を指し、整備された労働環境において安定して仕事を進めていくことができます。そのため、安定志向が強い人は、勤務司法書士が向いていると言えます。
一方で、独立する場合は、安定して仕事がある保証が無いため、不安定な状況にはなるものの、行動力を伴う人においては、より高い収入を得ることができます。そのため、自身の性格や得意とするものを見定めて決めていくと良いでしょう。
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司法書士の独立開業によるメリット
司法書士として独立開業することには、他業種における開業と比較すると以下のメリットがあります。
・廃業の心配が比較的少ない
・開業コストを低く抑えられる
・柔軟性高く経営ができる
ひとつひとつ解説していきます。
廃業の心配が比較的少ない
まず1つ目は、廃業における心配が他業種と比較して少ないことが挙げられます。司法書士の資格は簡単に取得できるものではなく、また法人登記や財産管理を始め、様々な業務を専門的に請け負うことができるため、需要が無くなる可能性は低いでしょう。
一般的に起業してから1年以内に廃業となる割合が、個人事業主の場合では約3割、法人の場合は約2割程度とされているなかで、司法書士白書2021年版におけるデータでは、2019年度における司法書士の廃業割合は約3%程度となっています。
こうした点からも、司法書士の廃業リスクは低いと考えられます。
開業コストを低く抑えられる
2つ目は、開業するにあたって必要となるコストを低く抑えることができます。司法書士として仕事をするためには、特別な施設や備品等を必要とせず、インターネット環境やPCが整っている場合は、自宅を仕事場として開業することも可能です。そのため、約50万円から150万円程度で開業することが可能となります。
柔軟性高く経営ができる
最後は、柔軟性高く司法書士として経営を進めていくことができます。就業規則で出社時間や休日日数を決められることもなく、上司から指示されることなく自身の裁量権で仕事を進めることができます。
どのような仕事を選んでいくか、どのような働き方をしていくのか、全て自分自身で決めていくことができるため、柔軟にやりがいをもって経営を進めていくことが可能となります。
司法書士の独立開業によるデメリット
司法書士として独立開業するにあたって、メリットがあればデメリットも存在します。ここでは、注意すべきポイントを2点ご紹介しますので、必ず事前に確認しておくようにしましょう。
・経営悪化のリスクがある
・顧客獲得を行うための営業が不可欠
経営悪化のリスクがある
1つ目は、経営悪化のリスクや開業失敗の可能性もあることです。当然のことではありますが、顧客からの依頼や仕事が来ない場合は収益を挙げることができず、開業したばかりの時は不安定な収入となるケースがあります。
事務所によっては、依頼が多く来る場合もあれば、顧客が少なく仕事が少ない事もありますので、収入が安定しないことを想定して独立開業を検討するとよいでしょう。
顧客獲得を行うための営業が不可欠
2つ目は、顧客を獲得するためには、自ら営業をしていくことを避けては通れません。知人の紹介やSNSの活用、地域に住む方や起業の認知度を上げていくことが重要です。
また、顧客獲得において、司法書士としての信頼性が重要です。顧客からの信頼を勝ち取るためにも、自身の知識やスキルを磨き、選ばれる司法書士として研鑽を積んでいくことが必要となります。
司法書士の独立開業の流れ
司法書士として独立開業するまでの具体的な流れについて、それぞれのポイントも含め解説します。
1.司法書士試験の合格
2.新人研修の受講
3.司法書士の登録
4.実務の経験
5.事業計画の作成
6.人脈づくりと顧客獲得
7. 独立開業
1. 司法書士試験の合格
まずは、司法書士の試験を受験し、合格する必要があります。試験に合格するためには、知識だけではなく実務経験を積むとより良いでしょう。なお、試験自体は年に1回実施され、筆記試験・口述試験により合否を決定します。
2. 新人研修の受講
司法書士の試験に合格した後に、司法書士として登録するためには新人研修の受講が必須となります。新人研修のカリキュラムは、司法書士の心構えや倫理観について、また実務に関する具体的な取り組みなどが挙げられます。
また、訴訟代理業務を行うために必要となる資格取得に向けた特別研修もあるので、確認しておくとよいでしょう。
3. 司法書士の登録
実際に司法書士として働くためには、事務所が設置されたエリアの司法書士会や日本司法書士会連合会に登録することが必要となります。これは、司法書士として働くためには必ず登録しなければならず、数十万の費用が発生しますので、事前に準備しておきましょう。
4. 実務の経験
1~3の手続きを踏むことで、独立開業することはできますが、司法書士事務所や法人等に所属し、実務経験を積んだ後に開業を検討することが望ましいです。
試験や研修において、基礎的な知識や考え方が身についていると言えますが、どうしても全てを網羅できるわけではありません。そのため、半年から1年間は実務経験を積み、より実践的なスキルやコミュニケーションの取り方を身につけるとよいでしょう。
5. 事業計画の作成
実務経験を積みながら、独立開業にあたって具体的な事業計画を作成していきましょう。事業計画は、開業するにあたって具体的な時期や場所、開業にあたって必要となる資金及び資金計画など、開業後も円滑に進めていくことができるよう、開業後を想定して作成することが重要です。
事業計画書について、もっと詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
→ 事業計画書は必須!?記載すべき内容を項目別に解説
6. 人脈づくりと顧客獲得
既に記載した通り独立開業するにあたって、顧客づくりは必要不可欠となります。需要が高い業務であるものの、顧客を確実に獲得していかなければ、安定した経営を進めていくことは難しいでしょう。
そのためにも、さまざまな交流会に参加し、経営者や投資家など、司法書士の顧客となる職種の人達と人脈作りをするようにしましょう。また、顧客層だけでなく、独立後にアドバイスをもらえるような同業者とも知り合いになっておくとより良いでしょう。
7. 独立開業
すべての準備が整い事業資金も確保できた時には、独立開業をしていきましょう。実際の事務所をイメージし、必要となる備品の準備も進めましょう。また、自身の認知度をあげるため、開業するエリアの商工会議所や青年会議所、地元の集まりなどさまざまな機会に顔を出し、挨拶回りをするとよいでしょう。
司法書士の開業前に押さえておくべきポイント
司法書士として成功するためには、独立開業をする前にいくつか押さえておくべきポイントがありますので、それぞれ詳しく解説していきます。
・独自サービスの開発も進める
・事務所のブランディングや差別化を大切にする
・開業のために資金調達も視野に入れる
・営業獲得チャネルを構築しておく
独自サービスの開発も進める
開業するにあたって、付加価値の高い独自のサービス開発を進めていくことが重要です。業務効率化をすすめて価格を安く抑えている法人もあり、独自のサービスを構築することが非常に重要となります。
特に最近では、コンサルティングも有力なサービスの1つです。新規事業を開業した顧客に向けて、司法書士としての登記に関する業務などだけにとどまらず、円滑に経営を進めていくための相談に応じていくようなサービスを提供することで、大きな特徴となるでしょう。
事務所のブランディングや差別化を大切にする
司法書士の需要は一定数あるとはいえども、他の事業所と競合する状況であることに変わりはありません。そのため、自身が独立開業した事務所のブランディングを確立し、別の事務所と差別化をしていくことが重要となります。
差別化していくためのポイントとして、相談しやすい、話しを丁寧に聞いてくれるなど、司法書士の人間性の部分に関するものもあれば、オンラインでの対応や土日祝日も対応している、といった運営に関するものもあります。ただし、価格の安さで差別化を図ろうとすると、収益が少なくなってしまう状況に陥ってしまうため、注意が必要です。
開業のために資金調達も視野に入れる
開業資金を調達するにあたり、どのように調達していくか想定したうえで開業を進めていくことも重要です。開業資金を調達するにあたって、自身で貯めて準備するか、金融機関から融資を受けるかの方法があります。独立開業する予定の場所や物件に合わせて、どのように資金調達を進めていくか検討していきましょう。
なお、日本政策金融公庫による創業融資制度を利用すると、無担保かつ無保証で資金の融資を受けることができます。その他にも地元銀行とコネクションを持つ事から、信用保証協会の融資を受けるという事業所もありますので、あわせて検討してみると良いでしょう。
営業獲得チャネルを構築しておく
独立開業し安定した経営を進めていくためには、継続して顧客を確保する必要があります。そのためには、ただ事務所を開業するのではなく、毎月または毎年新たな顧客を確保するための営業をしていく必要があります。こうした点からも、営業獲得チャネルを構築し、営業力を身に着けておくことが重要です。
司法書士の独立開業で失敗する例
司法書士の独立開業にあたって、失敗してしまう事例もありますが、どういったことが原因となって失敗してしまったのか、3つのポイントを例にしてご紹介していきます。
・固定費を高くしすぎてしまっている
・業務過多になってしまっている
・営業やマーケティングスキルが足りていない
固定費を高くしすぎてしまっている
まずは、毎月負担しなければならない固定費が高い場合です。こうした状況では、売上が高いとしても、実際の利益としてはほとんど残りません。
もし、固定費が高いようであれば、事務所にかかっている家賃や設備のリース代、人件費を見直す必要があるでしょう。
業務過多になってしまっている
2つ目は、業務が多すぎる場合です。独立開業した場合、多くの業務を自分1人で進めていかなければならず、あまりにも多くの仕事を抱えすぎると顧客の期限に間に合わない場合も発生してきます。
結果的に信頼性が損なわれ、経営の失敗に繋がりかねない状況に陥ってしまうため、必ず業務量を見極めつつ、自身で調整していくようにしましょう。
また、業務を効率化させていくことも非常に重要なポイントです。IT機器を導入し電子化を進めていくことや、事務や営業含む経営スキルを身に着けていくことで、適切な業務量となるよう調整していきましょう。
営業やマーケティングスキルが足りていない
3つ目は営業・マーケティングのスキルが不足している場合です。上述している通り、独立開業にあたって、継続的に顧客を確保していく必要があります。そのため、新規顧客を確保していくことができるよう、まずは営業方針を決めて行動するようにしましょう。
加えて、司法書士の仕事は地域に住む方からの依頼が多いため、商工会議所や青年会議所の地域のイベントや自治体の相談会などに参加し、地域の方との繋がりを強固にしていくと良いでしょう。
まとめ
本記事では、独立開業した司法書士の年収水準や独立開業におけるポイントなどについて解説してきました。独立開業することで、高い年収を得ることもできますが、自身で主体的に行動していかなければなりません。今回ご紹介したポイントや失敗例を踏まえたうえで開業後の動きを想定し、入念に準備を進めていくようにしましょう。
本記事が、これから司法書士として独立を考えている方の参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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