会社設立時に活用できる助成金|補助金との違いや助成金の種類・申請の方法を解説
補助金や助成金を賢く活用しよう!押さえておきたい起業の基礎知識
みなさんは、補助金や助成金などの言葉を一度は耳にしたことがあるかと思います。
助成金と補助金は、何となく同じような意味で解釈しがちですが、実は補助金と助成金は、まったくの別物です。
今回は、補助金と助成金のそれぞれの特徴と、起業時に活用したい補助金と助成金について解説します。これから起業しようとお考えの方は資金調達などにつながる創業時に抑えておきたい重要な内容なので、ぜひ参考にしてみてください!
目次
◆そもそも補助金・助成金とは?
補助金・助成金とは、事業の支援や困窮者の救済等を目的とし、国や地方自治体からお金が支給される制度のことです。補助金も助成金も返済不要なため、経営者にとっては嬉しい制度ですね。
しかし、受け取るためには決められた書類を揃える必要があり、手続きも含めて作業は複雑でかなり面倒です。自分で進める上で判断に困るようであれば、行政の窓口や専門家に相談し、アドバイスを得た上で申請ができればより安心です。
また、いずれもその年の政策とからめて補助金・助成金が設定されることから、毎年内容は変更されます。予算がなくなると制度自体がなくなってしまいますし、公募の期間自体の設定がかなり短いケースもありますので、申請に向けての下調べ・事前準備をしっかりと行ったうえで、しかるべきタイミングで申請する必要があります。
◆補助金・助成金の特徴
補助金
補助金とは、「事業実施や政策実施を促進するため、国から給付されるお金」のことを指します。代表的なものには、経済産業省・中小企業庁が扱っている企業の設備投資や新規事業、販路開拓などを支援する資金があります。次からは特徴を見ていきましょう。
〇特徴① 募集期間が決まっている・募集期間が短い
多くの補助金は、いつでも受け付けているわけではなく、募集期間が決まっています。期間内に申し込みを行わなければいけません。
補助金申請の多くは、募集期間は1ヶ月から3ヶ月ほどで設定されています。そのため、限られた準備期間の中で事業計画書を書き進めたり、必要に応じて商工会議所や支援機関の確認をもらったりと、早急な対応が必要です。
〇特徴② 審査がある
補助金は申し込むと必ず支給されるわけではなく、申請書類の内容審査があります。場合によっては、面談審査が必要となることもあるので事前準備が非常に重要です。
また、補助金は対象となる経費が決まっているので、用途から外れた使い方はできません。
〇特徴③ 経費が使えるのは、支給の承認が下りたあと
多くの補助金は先に自分で経費を使いお金を払い、実績を報告してからお金を払うキャッシュバック方式です。事前に支給され、その金額の中でやりくりをしていくものではないので、支給されるまでの間、資金は自分で用意しなければなりません。
助成金
助成金も基本的には、民間事業や政策の促進を目的として国から支給されます。代表的なものには、厚生労働省が実施している助成金が挙げられます。
正社員の雇用や女性や高齢者などの就業促進など、雇用に関する課題の実現に向けて取り組む事業者に対して支給されます。主な特徴は次の通りです。
〇特徴① 募集や申請の期間が決まっていない
助成金は、補助金のように締め切り時期が決まっていないことが多いです。申し込みの条件を満たしていれば、自分のタイミングで申請が可能です。しかし、予算がなくなったタイミングで募集が終わってしまうので注意が必要です。
〇特徴② 受給要件を満たした事業主であれば受け取れる
補助金とは違い、定められた要件を満たしていれば受給できることがほとんどです。また、条件に合致すれば何度も助成金を受給できます。
しかし、助成金に関するアナウンスはあるものの、気が付きにくいケースが多いため、常にアンテナを張っておく必要があります。気が付いたら募集が締め切られていたなんてケースはざらにあります。
〇特徴③ 準備すべき添付書類が多い
例えば、厚生労働省管轄の助成金を申請する際には、労働者名簿、就業規則、賃金台帳、出勤簿などの提出を求められることがあります。助成金の種類によっては、定款や登記簿謄本、会計帳簿なども必要となります。
助成金の支給にあたっては、適正な労務管理をしていることを証明しなくてはならないのです。
◆起業時に使える助成金・補助金とは?
では、実際にどのような補助金・助成金があるのでしょうか。起業時に活用できる代表的な例を3つ見ていきましょう
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者および一定要件を満たす特定非営利活動法人が働き方改革や賃上げ等に対応するための取り組みの一部を補助し、生産性向上と持続的発展を図ることを目的とした補助金です。
(従業員5名以下、業種により20名以下)
補助率:補助対象経費の2/3以内
補助上限:原則50万円。賃上げ、海外展開、買物弱者対策)は100万円。複数の事業者が連携した共同事業は500万円。
IT導入補助金
中小企業・小規模事業者に対して、ITツール導入をする経費の一部を補助することで業務効率化、売上向上を促進する補助金です。まだIT導入が済んでいない、または新たにIT導入をしたいとお考えの中小企業・小規模事業者の方は、独自にIT導入をするより大幅に負担を減らすことができます。
対象者:中小企業 ※中小企業とみなされる基準が業種ごとに定められている(資本金や従業員)
補助率:補助対象経費の1/3~1/2以内 ※補助金がさらに細かく分類されていて、どの類型かにより異なる
補助上限:30万円~450万円 ※補助金がさらに細かく分類されていて、どの類型かにより異なる
(正社員化コース)
キャリアアップ助成金(正社員化コース)は、非正規雇用労働者のキャリアアップを促進するため、正社員化、処遇改善の取組を実施した事業主に対して助成する制度です。
労働者の意欲向上や事業の生産性を高めるために積極的に活用していきたい助成金制度と言えますね。
〇助成金の支給金額
キャリアアップ助成金(正社員化コース)の支給額は下記の通り、3つの施策ごとに支給額が設定されています。
- 有期雇用労働者を正規雇用労働者に転換または直接雇用した場合
- 有期雇用労働者を無期雇用労働者に転換または直接雇用した場合
- 無期雇用労働者を正規雇用労働者に転換または直接雇用した場合
1人当たりの支給額
中小事業者の場合 | 1人当たりの支給額
大企業の場合 | |
① | 57万円(72万円) | 42万7,500円(54万円) |
② | 28万5,000円(36万円) | 21万3,750円(27万円) |
③ | 28万5,000円(36万円) | 21万3,750円(27万円) |
()内の金額は生産性の向上が認められる場合
出典:厚生労働省「キャリアアップ助成金のご案内(令和3年4月1日版)」
対象者:アルバイトや契約社員
助成率:率ではなく、施策ごとに金額が決まっている。
助成金:57万円(一定の要件クリアで72万円)
上限 :1事業年度に20名まで
ただし、申請に必要な書類が多いことや正社員コースを申請してから受給まで1年以上かかる場合もといった特徴がります。スピード感などをよく理解したうえで申請することをおすすめします。
ただし、申請に必要な書類が多いことや正社員コースを申請してから受給まで1年以上かかる場合もといった特徴がります。スピード感などをよく理解したうえで申請することをおすすめします。
◆まとめ
補助金・助成金をうまく活用することで、事業に必要な資金をより円滑に回すことが可能です。積極的な事業投資に繋げることもできるでしょう。税金を財源とした公的な制度ですので、利用しない手はありません。上手に活用していきましょう。
今回の記事で取り上げた補助金・助成金は一例となりますので、「今日出てきたもの以外にどのような給付を受けられるの?」「公募期間はいつ?対象者など詳細も含めて知りたい」と思った方はお気軽にお問い合わせください。
『会社設立のミチシルベ』では会社設立を検討されている方をサポートしています。補助金や助成金で悩んでいる方の他にも、東京・埼玉・千葉・横浜で会社設立を検討している方は『会社設立のミチシルベ』までお気軽にお問い合わせください!
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