総資本経常利益率(ROA)とは何?

総資本経常利益率(ROA)とは何?

会社の経営状態を見る手段は様々ですが、収益性を確認する財務指標のひとつに総資本経常利益率(ROA)というものがあります。
ここでは総資本経常利益率について、詳しく紹介します。

総資本経常利益率とは

ROAは「Return On Assets」を略したもので、いかに総資産を有効に活用し利益を出しているかを見るための指標です。
総資本というのは、どのような方法でお金を集めたかを表していて、総資産はそれを使用してどのような資産を得たかを表しています。
すなわち、総資産の額は総資本と同じとなり、総資本経常利益率ではなく総資産経常利益率と呼ばれることもありますが、その数値に変わりはありません。

総資本経常利益率の計算式

ROA(%)=当期純利益÷総資産×100

上記が総資本経常利益率を求める計算式です。
総資本経常利益率は、当期純損益を総資産で割った数値で、経営を行うための資源である総資産を、どのように効率的に活用して利益に結びつけているかを示しています。

ROA(%)の数値が高ければ高いほど、効率的に経営ができていることになります。
ちなみに、ROAには自己資本だけではなく負債も含まれることから、現在企業そのものがどの程度の利益を上げているかを知るための指標としても活用できます。

総資本経常利益率の目安

総資本経常利益率を確認すれば、それぞれの会社の資産で利益をどのように出しているかを判断できます。
たとえ、負債を多く抱えていたとしても、効率よく利益を出していれば総資本経常利益率は高くなります。
もちろん、ROAだけでは会社の経営状態を完璧に把握することはできませんが、かなり大きな判断材料となります。
自社の経営状況を把握するだけなら、過去の数値と比較してその推移を見て収益性の改善に役立てればいいのですが、同業他社の数値と比較することで、目標にするROAの目安が見えてきます。

業界によって目標とするROAの目安は異なる

総資本経常利益率の平均値は、業界によって大きく異なります。
2017年の全産業のROAの平均値は4.3%となっていて、もっとも数値が高い自動車業では8.4%です。
一方、飲食業では2.3%と3倍を超える差が生じています。
その他の業界では、情報通信業7.6%、化学6.8%、製造業5.3%、食料品4.9%、小売業4.1%、農業3.7%、不動産業2.9%、鉄鋼業2.6%、電気業2.6%などとなっています。

自社のROAが平均値よりも低い場合は、高める努力をした方がよいと判断できますし、高い場合はある意味安心材料となります。

これから起業する人にとって会社設立は分からないことが多いのではないでしょうか。

また、起業したばかりの人にとっては事業の立ち上げと同時に様々な手続きを進めなくてはならず大変な思いをしている方も多いことでしょう。

そこで、ミチシルベでは
「会社設立について相談したい・・・」
「会社設立の手続きどうしたらいいかよくわからない・・・」
「税理士や司法書士を紹介してほしい・・・」
といった起業したばかりもしくはこれから起業する方々のお悩みにお応えするべく、会社設立についての無料相談を実施しています。

下記バナーから無料相談をお申し込みできますので、ご自身の会社設立に関するお悩み解消にご活用ください。

総資本経常利益率を高める方法

ROAの数値だけを見て、それが高いほど優良企業なのかというと、それだけで判断することはできません。
あくまでも総資本経常利益率はひとつの指標にすぎず、その他のいろいろな指標も参考にして総合的に判断しなければいけません。
ただし、同業種で総資本経常利益率が高い会社は、効率的に利益を生み出す能力が高いことを端的に判断することができます。
総資本経常利益率を高めるための改善方法には、「経常利益を増やす」「総資本を少なくする」の2つがあります。

経常利益を増やす方法

経常利益を増やすためには、単純に売上を増加させる方法と、経費を削減する2つの手段があります。
ただし、総資本経常利益率が悪化している状況では「すでに経費削減に取り組んでいて、もうその余地がないという」会社も多いでしょう。
そのなれば、残された道は売上をアップさせるしかありません。
このときに注意しなければいけないのは、値引きなどに頼りすぎないことです。
極端に値引きをして売上を増加させても、経常利益がかえって低下してしまうことがあります。
それよりもマーケティング能力を磨くなどして、販売力のアップに努めましょう。

資本を少なくする方法

総資本経常利益率の計算式の分母である総資本を少なくすれば、必然的にROAの数値を高めることができます。
真っ先に取り組むべきことは、遊休資産を減らすことです。
例えば、活用していない不動産などを売却することがこれにあたります。
「せっかく値上がりを見込んで購入したのだから」と、売却を躊躇している経営者も少なくないのが現実です。
しかし、購入してからこれまで大幅に値上がりしていないのであれば、今後も期待はできないでしょう。
高額な不動産を処分すれば、総資本経常利益率を劇的に改善させることもできます。

不動産などの遊休資産を所有していないという場合でも、利益を生み出していない資産を徹底的に洗い出して行動に移すことで、ある程度の改善につなげることができます。

まとめ

総資本経常利益率とは収益性を確認する財務指標のひとつで、会社がいかに総資産を有効に活用し利益を出しているかを知ることができます。
もちろん、総資本経常利益率だけで優良企業かどうかを見分けることはできませんが、大きな判断材料になります。
総資本経常利益率を高めるためには、「経常利益を増やす」「総資本を少なくする」2つの方法があります。
同業他社と比較して総資本経常利益率が著しく低い場合は、総資本経常利益率の改善に取り組むことをおすすめします。

著 者

SOICO株式会社
共同創業者&代表取締役CEO
茅原 淳一 (かやはら じゅんいち)

慶應義塾大学卒業後、新日本有限責任監査法人にて監査業務に従事。 その後クレディスイス証券株式会社を経て2012年KLab株式会社入社。 KLabでは海外子会社の取締役等を歴任。2016年上場会社として初の信託を活用したストックオプションプランを実施。 2015年医療系ベンチャーの取締役財務責任者に就任。 2018年よりSOICO株式会社の代表取締役CEOに就任。公認会計士。

この記事のキーワード

キーワードがありません。

この記事と同じキーワードの記事

まだ記事がありません。

キーワードから探す

資料請求

資料請求

カンタン1分登録で、気になる資料を無料でお取り寄せ

お問い合わせ

そんなお悩みをお持ちの方は、まずはお問い合わせください!