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厚生年金の計算方法は?社員がいくらもらえるか確認する方法を解説
給与から毎月天引きされる厚生年金保険料。
支払額が変動し計算方法がわかりにくいとお困りの方は多いでしょう。
そこで今回は、厚生年金保険の特徴と計算方法について解説していきます。
目次
厚生年金保険とは?
厚生年金保険とは、会社員や公務員など、会社に雇用されている人が加入する公的年金制度です。
国民年金は20~60歳の40年間加入するのが原則ですが、厚生年金保険は会社で働き続ける限り、70歳未満まで加入することができます。
厚生年金保険の加入者は、厚生年金制度を通して国民年金にも加入しており、将来、厚生年金と国民年金の両方を受け取ることができます。
また、会社員以外のパートやアルバイトにおいても、1週間の所定労働時間・1カ月の所定労働日数が一般社員の4分の3以上であるなど、いくつかの条件を満たしていれば厚生年金保険に加入する必要があります。
加入義務があるにも関わらず、従業員を厚生年金保険に加入させていない場合には、厳しい罰則を受けることになるため、正しく制度を理解することが大切です。
厚生年金保険に加入するメリット
ここからは厚生年金保険に加入するメリットについて、会社側と従業員側の視点で解説します。
会社側のメリット
・従業員が安心して働ける環境をつくることができる
厚生年金保険への加入は、従業員が安心して働くことのできる労働環境整備の一環として機能します。
優秀な社員の離職の防止や人材採用の活性化が期待でき、会社にとってもメリットが多くなります。
また会社が支払う厚生年金保険料は経費として扱われるため、節税にも繋がります。
従業員側のメリット
・保険料が勤務先と折半
厚生年金の保険料は、労使折半のため、勤務先と個人で2分の1ずつ支払うことになります。
つまり、従業員は会社に所属している期間は保険料の面で優遇されるのです。
厚生年金保険料を支払うことで、国民年金の納付も行われるため、老後に支給される年金額が増えることも大きなメリットと言えるでしょう。
厚生年金保険料の計算方法
厚生年金保険料は、標準報酬月額に保険料率を掛けて算出します。
標準報酬月額とは、各個人の社会保険料(健康保険や介護保険、厚生年金保険)を計算しやすくするための基準となる金額です。
標準報酬月額は、原則として毎年4月から6月までの3カ月間に受け取る報酬の平均額を厚生年金保険料額表の等級に当てはめて決定し、その年の9月から翌年8月までの1年間適用されます。
基本給だけではなく、残業手当・通勤手当・家族手当・住宅手当なども合わせて計算します。
2020年9月から、標準報酬月額の上限は「31等級の62万円」から「32等級の65万円」へと、引き上げられました。
この標準報酬月額に現在の保険料率「18.3%」を掛けた金額が厚生年金保険料になります。
会社が厚生年金保険料の半額を負担することになっているため、会社員が負担するのは実質「9.15%」となります。
厚生年金保険料は、国民年金のように同じ金額ではなく、収入によって決まるため、従業員によって支払う額は大きく異なってくるのが特徴です。
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厚生年金はいくらもらえる?受給額の計算方法
国民年金に比べ、厚生年金の受給額の計算方法は複雑です。
厚生年金の受給額は以下の計算方法によって決められます。
【厚生年金受給額 = 報酬比例年金額+経過的加算+加給年金額】
報酬比例年金額とは?
報酬比例年金額とは、厚生年金の受給額の計算の基準となる金額のことを指します。
報酬比例年金額の計算方法は以下の通りです。
①平均標準報酬月額×7.125/1000×平成15年3月までの被保険者期間の月数
②平均標準報酬額×5.481/1000×平成15年4月以降の被保険者期間の月数
①と②を足した金額が報酬比例年金額となります。
経過的加算とは?
経過的加算は、特別支給の老齢厚生年金の定額部分を受けていた人が老齢基礎年金をもらうようになった時に、その差額が老齢厚生年金に加算されることです。
経過的加算の計算方法は以下の通りです。
【経過的加算=定額部分-同じ期間に対応する基礎年金の金額】
加給年金額とは?
加給年金額とは、年金受給者で、配偶者や子どもがいる人がもらえる年金版の家族手当のことです。
厚生年金の被保険者期間が20年以上、もしくは、被保険者が65歳になった時に65歳未満の配偶者や18歳年度末までの子どもがいる場合に支給されます。
令和2年度の加給年金額は、配偶者が22万4900円、第1子・第2子が各22万4900円、第3子以降が各7万5000円となっております。
まとめ
本記事では、厚生年金保険の特徴と計算方法についてご紹介しました。
厚生年金保険とは、会社員や公務員など、会社に雇用されている人が加入する公的年金制度です。
厚生年金保険料は、国民年金のように同じ金額ではなく、収入によって決まるため、従業員によって支払う額は大きく異なってきます。
厚生年金保険料は、標準報酬月額に保険料率を掛けて算出され、厚生年金の受給額は、報酬比例年金額と経過的加算と加給年金額を足した金額になります。
保険料・受給額ともに計算方法は複雑であり、数年ごとに内容が変わる可能性があるため、常に最新の情報を収集しなければなりません。
間違った方法で計算したり、放置したりしていると罰則を受けることになるため、経理担当者を中心に正しく理解することが大切です。
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