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不動産所得の対象になるものは?確定申告のポイントも確認を!
戸建てやアパート、マンションなどの不動産を使って得た収入を不動産所得と言います。
単純に所有している不動産を賃貸して家賃収入を得る以外にも不動産所得の対象となるものがありますので、線引きが難しいですが、税金の申告時には明確に認識しておく必要があります。
今回はそんな不動産所得について解説します。
不動産所得の対象となる収入から確定申告をする際のポイントも併せて解説しますので、所有不動産で収入を得ている方、賃貸経営に興味がある方はぜひ参考にしてください。
目次
不動産所得の対象になる収入とは?
まずは、不動産所得の対象となる収入について解説します。
不動産所得とは、次の3つに該当する所得(事業所得、譲渡所得を除く)のことを言います。
※国税庁HP参照、URL:No.1370 不動産収入を受け取ったとき(不動産所得)|国税庁 (https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1370.htm)
①土地や建物などの不動産の貸付け
②地上権など不動産の上に存する権利の設定及び貸付け
③船舶や航空機の貸付け
所有不動産からの家賃収入や土地を使った駐車場経営、使わなくなった自宅を他者に貸して収入を得ることも不動産所得に該当します。
また、船舶や航空機などの事業用の資産を貸し付けて得た収入についても不動産所得に分類されます。
不動産を売却して得た収入については、所有している不動産の規模によって譲渡所得、若しくは事業所得に分けられます。
同じ不動産所得でも規模によっては事業所得になる
不動産所得と事業所得の違いについては、所有している不動産の規模(棟数と戸数)によって異なります。
具体的に事業所得の対象となるのは、以下のような場合に限られます。
⑴ 物件の総戸数が10室以上
⑵ 物件の棟数が5棟以上
⑶ 駐車場50台以上
よく5棟10室と呼ばれますが、上記を満たす規模であれば、事業規模とみなされ確定申告時に事業所得として計上できます。
事業所得の対象となることで不動産所得とは課税対象額の計算が異なり、青色申告の特別控除額である65万円が適用となります。
ちなみに不動産所得の場合、控除額は10万円だけです。
その他、配偶者や親族を専従者(専門的に従事する者)とした場合に専従者控除の適用、必要経費の計上範囲が広がるなど、事業所得として計上できた方が節税の面でメリットが大きくなります。
不動産所得の確定申告でポイントとなること
不動産所得も他の所得同様、年間で20万円以上の収入がある場合については確定申告をする必要があります。
ここでは、確定申告時のポイントになることについて解説します。
確定申告は必要となる書類もたくさんありますので、面倒に思わず早めの準備を心掛けましょう。
不動産所得の計算方法とは?
所有している不動産を使って収入を得ている場合、そこで得た収入がそのまま不動産所得になる訳ではありません。
不動産所得とは、サラリーマンの給与所得とは違い、賃貸事業をすることで得た収入ですので、事業で使った経費については、収入から差し引いて計上することができます。
・不動産所得=不動産収入-経費
不動産収入は、賃貸で得た収入の他、物件の更新料、返金しなかった分の敷金、礼金、共益費などが該当します。
そこから、事業をする中で必要となった経費や税務上控除できる額を差し引いた額が最終的な不動産所得となります。
必要経費ってどんなもの?
必要経費とは、事業をする中で必要となった経費のことであり、当たり前ですが、それ以外は計上することができません。
計上できる経費は、修繕費、経営の中で出てくる雑費、固定資産税、不動産取得税、火災・地震・損害保険料、借り入れ(ローン)がある場合は返済利息分、原価償却費、などが挙げられます。
そのほか、不動産業者と打ち合わせをしたときの飲食代など事業の中で必要になったものがあれば、申告が可能です。
経費については近年の税収の兼ね合いでかなり厳しくなっていますので、申告の際には十分に注意しましょう。
確定申告の際に気を付けるべきこと
確定申告は、支払う税金を申告するとても大切なものです。
正確に申告し、税金の過払い、未払いがないように事前に気を付けることを解説します。
〇書類は事前にしっかりまとめておく
不動産を使った事業は賃貸借契約書などの収入を証明する書類から税金の納税通知書、経費の領収証や支払い明細などの支出の証明書まで確定申告の際に必要になる書類がたくさんあります。
特に初めての確定申告の際は書類の管理ができていないとかなりの時間を要します。
申告をスムーズに行う為にも書類の管理はしっかりするようにしましょう。
〇原価償却を使って節税効果アップ
原価償却は建物部分のみが対象となりますが、建物購入費用を何年かに分けて経費として計上することができます。
※木造新築であれば22年間。
不動産賃貸業で上手に節税をしている方は、この原価償却の制度をうまく利用しています。
原価償却の償却年数は一定の範囲であれば、所有者の裁量で設定できますので、自分が所有する物件に適した形で計上できるよう、事前に知識を付けておくと良いでしょう。
〇自分が居住する用の部屋がある場合は経費計上の対象外
アパートやマンションなどの共同住宅の場合、例えば一部屋だけ自分で住んでいる、親族に無償に貸しているという場合には、その分の固定資産税や減価償却費の経費は計上できません。
これが経費として計上できるのであれば、普通の住宅を買った場合でも適用されるべきと言うことになります。
経費として計上できるのは、あくまで事業として必要となる部分に限られますので注意しましょう。
不動産所得の税率は?
不動産所得は他の所得と合算し損益通算できる総合課税です。
よって、税率はサラリーマンの給与所得同様、累進課税となり、所得が大きいほど税率も上がります。
サラリーマンをしながら不動産所得を得ている場合、サラリーマンの給与と不動産所得を合算したものが最終的な課税対象額となります。
例えば、サラリーマンの年収が500万円、不動産所得が100万円の場合、確定申告をして600万円の所得を得た場合と同様の税金を追加で納税する必要があります。
≪表≫所得税+住民税(※住民税は一律10%)
所得金額 | 税率 | 控除額 |
1,950,000円以下 | 15% | 0円 |
1,950,000円超~3,300,000円以下 | 20% | 97,500円 |
3,300,000円超~6,950,000円以下 | 30% | 427,500円 |
6,950,000円超~9,000,000円以下 | 33% | 636,000円 |
9,000,000円超~18,000,000円以下 | 43% | 1,536,000円 |
18,000,000円超~40,000,000円以下 | 50% | 2,796,000円 |
40,000,000円超~ | 55% | 4,796,000円 |
まとめ
今回は、不動産所得の税金について解説しましたがいかがでしたでしょうか?
サラリーマンの副業として一時期ブームとなった不動産経営ですが、自宅や自宅の駐車場を一時的に貸すことなども不動産所得として分類されます。
資産運用としてワンルームマンションに投資をするケースも増えており、不動産を使った収入を得ている方も増えてきていると思います。
ぜひ今回の記事を参考に、経費の見直しや確定申告に活かして、メリットのある不動産活用をして頂ければと思います。
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