会社設立時に必要な書類|書類のまとめ方と提出手順・税務署への提出書類について解説
おすすめの法人口座|メリット・口座間の比較・金融機関の種類について解説
企業を設立する・事業を始める際には、手続きを行うことがいくつもありますが、その中でも重要な手続きの1つが金融機関で法人口座を開設することです。
金融機関には多様な種類があり、振込手数料や口座維持手数料、サービス内容などが金融機関によって違いがあります。
本記事では、金融機関を選択する上でのポイントや金融機関ごとのメリットや違いを中心に解説していきます。
目次
法人口座の概要
まず、法人口座の概要について4つのポイントに分けて説明していきます。
・法人口座とは
・法人口座のメリット
・個人口座との違いは
・法人口座を開設する時に必要な書類もの
法人口座とは
法人口座とは、法人の名義で開設する銀行口座のことを指します。
法人が事業を経営する上で、新規事業や事業拡大のために金融機関から融資を受ける場合も考えられます。法人と個人では金融機関との融資金額の交渉を行う際に、融資可能な額に差が生じることがあります。また、融資における金融機関の審査にも影響します。
このような理由から、金融機関からの融資を検討している経営者の方は個人事業主ではなく、法人として口座を開設しておいた方が有利な要素になると言えます。
同様に、企業の資金を個人の口座で取り扱っている場合、法人と個人の資金が混同されてしまうため、取引先からの信頼度に影響が及ぶ可能性があります。
また、法人と個人の資金が混ざってしまう状況は税務署によって脱税の疑いをかけられる危険性もあります。
法人口座のメリット
法人口座の開設手続きには審査が必要であり、即日開設が難しく、また個人口座開設に比べて厳しい審査基準が設けられています。
法人口座開設の審査を通過することは、銀行が法人としての実在を認め、信頼できる会社であると認識していることを示しています。そのため、法人口座を所有していることは、社会的信頼を得ることに繋がり、この信頼はさまざまなメリットをもたらします。
さらに、法人口座を開設することで、法人名義のクレジットカードも取得できます。法人名義のクレジットカードを利用することで、経費の支払いや管理を一元化できるという利点があります。
法人口座と個人口座を別々に保有することで、企業の経営で得た資産と私的な財産を区別して管理でき、さらに、資金運用や経営の現状把握がしやすくなります。
そもそも法人口座の開設は企業ごとの任意の選択となりますが、金融機関から融資含む資金調達を受ける際にしばしば要求されます。また、法人口座を開設していることは、先ほども触れたように銀行の審査を通過し、信頼できる企業であることを示しているため、融資審査の際にプラスの要素となります。
個人口座との違い
即日開設可能な場合が一般的な個人口座とは違い、法人口座は開設するまでに1ヶ月程かかるケースがあります。
個人口座より開設時間が生じても法人口座を開設する方が望ましいでしょう。会社の財務活動を法人口座にまとめることで、財務の全体像がより明確になり、資金の流れの透明性の高い経営が可能となります。
また、取引先からの支払いの入金なども、法人口座があることで速やかに取引が進む利点もあります。
法人口座を開設する時に必要な書類
法人口座の開設を申し込む際には、通常、以下のような書類の提出を求められます。
・商業登記簿謄本(履歴事項全部証明書)
・定款
・会社印・印鑑証明書
・代表の実印または印鑑証明書
・代表の身元証明書
・会社の事業内容や業績など実態が把握できる資料
金融機関によっては異なる要件があるため、法人口座を申し込む前には事前に必ず確認しましょう。
法人口座の開設に必要な書類や申し込み方法について、もっと詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
→法人口座の開設|メリット・スケジュール・必要書類・申込方法について解説
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法人口座を比較する際のオススメポイント
法人口座を開設する金融機関を選ぶ際に、比較する上でオススメのポイントをご紹介します。
・各種手数料・月額基本料
・取引可能な時間
・審査のスムーズさ
・口座開設の早さ
・振込限度額の設定金額
・社会的信用度
・通いやすい立地か
・融資金の金利率
各種手数料・月額基本料
振込手数料の設定金額が低い場合、取引先の負担が軽減されます。同様に、月額基本料などの維持コストやATM手数料が低いと、自社の負担が軽減されます。
法人口座の利用において、大手銀行の場合数千円の月額基本料金(主にインターネットバンキング利用手数料)がかかります。新興のネット銀行は、この月額基本料金は無料なので自社の口座を検討する際にオススメです。
また海外企業との取引もあり、海外送金を利用する際には、海外送金手数料も確認しておくことが重要です。
取引可能な時間
インターネットバンキングの取引利用可能な時間が長いことは、自社と取引先の両方にとって利便性が高いと言えます。
特に国際取引がある企業は、時差を気にせずに銀行取引をする必要があるため、インターネットバンキングのように24時間対応できることが重要となります。
審査のスムーズさ
法人口座開設の審査が厳しい金融機関を選ぶと、そもそも法人口座を作れないこともあります。取引先からの入金を円滑にするためにも、審査が容易な金融機関を選ぶことも大切です。
また、審査時に提出する書類の種類が多いか否かも比較する上で注目するポイントとなります。提出が必要な書類の種類があまりにも多い場合、口座開設の申し込みだけでも時間や労力が生じてしまいます。
法人口座開設の審査を通過できなかった場合、書類を集める・作成する手間が全て無駄になるので、審査を行う際には、提出する書類が少ない金融機関を選ぶことが望ましいでしょう。
口座開設の早さ
口座開設が迅速に行われるかにも注意が必要と言えます。前もって計画的に、口座開設の準備をしている場合は焦る必要はありませんが、他の手続きに時間を取られてしまい口座開設が後回しになってしまうこともあるかもしれません。
法人口座開設の手続きに時間がかかる金融機関の場合、初の顧客との取引に間に合わなくなり、商機を逃す可能性も考えられます。
振込限度額の設定金額
法人口座における取引の振込限度額は金融機関により違いがあります。振込限度額が低い金融機関を選択すると、クライアントとの取引に影響してしまう可能性があります。
振込限度額が、1回の振込で取引が完了する範囲の金額かどうかは、法人口座開設を申し込む前に確認しておくことが重要です。
社会的信用度
法人口座を開設できる銀行の中でもメガバンク(三菱UFJ銀行・三井住友銀行・みずほ銀行)は、高い社会的信用を持つ金融機関です。そのため、これらの銀行の法人口座での取引は顧客や取引先にも安心感を提供できるというメリットがあります。
また、地域にて高い信用性を持つ地方銀行や地元の信用金庫は、特定のエリアでのみ事業を行う会社の法人口座にマッチするでしょう。
通いやすい立地か
金融機関の立地も注目すべきポイントです。会社の近くに窓口やATMがあると、入出金が楽になりますし、自社の担当者に気軽に相談に行けるメリットがあります。
もちろんインターネットバンキングでも入出金できますが、手元にすぐ現金が必要になった場合やインターネットバンキングでの対応可能な金額を超える取引が発生した場合、銀行窓口やATMに行かなければなりません。
法人口座開設を検討する際には、近くに窓口とATMがあるかを確認しておくことも重要なポイントです。
融資金の金利率
口座開設のタイミングでは融資を受ける予定がなくても、将来的に法人口座を開設した銀行での融資が必要になる可能性があります。
法人口座開設前に、それぞれの銀行ごとの融資商品や金利水準がどの程度か確認し、前もってシュミレーションを行ったり、他の銀行と比較することが大切です。
法人口座を開設できる金融機関の種類
法人口座を開設できる金融機関の主な種類は以下の通りです。
・メガバンク
・地方銀行
・信用金庫
・ゆうちょ銀行
・ネット銀行
メガバンク
メガバンクは大規模かつ国際的な規模を持ち、広範なネットワークや事業展開を有する銀行グループで、全国的な支店展開に加えて、アジアだけでなく欧米諸国にも支店や提携銀行を持っています。
銀行としての信用力や他銀行よりも高額な融資の対応ができる一方で口座開設の審査が厳しかったり、口座の維持や振込手数料が他と比べて高いなど、大手ならではの特徴があります。
代表的なメガバンクとして、三菱UFJ銀行・三井住友銀行・みずほ銀行・りそな銀行があります。
地方銀行
地方銀行は、地域に密着しており、ほとんどの地方銀行がある地域に特化して店舗を展開しています。
地方銀行は特定の地域の事業者の関係性への知見が深かったり、その知見を踏まえた上で有益な助言をしてくれるといった期待もあります。ただ、他の銀行と比べて、高額の融資に対して審査する期間が長いといった消極的な特徴もあります。
基本的に地域名のついた銀行が地方銀行として代表的ですが、東京の場合きらぼし銀行がこれにあたります。
信用金庫
信用金庫は、特定の地域の会員が出資して協同組織となった金融機関で、地域の繁栄を目的としています。
通常、口座開設においては、自宅または事業所の最寄りにある支店以外では審査に通らないという特徴があります。
信用金庫から融資を受ける場合、通常は信金会員となる必要があります。信金会員とは、その信用金庫に対して出資をしている法人のことを言います。出資は、銀行の預金と同様に資金を預けることですが、すぐに払い戻しができないという特徴があります。
この信金会員になる資格として次の要件があります。
・信用金庫の営業地域となる場所に住んでいること
・法人が事業所を所有していること
・資本金9億円以下または従業員300人以下であること
資本金が9億円を超えてしまう、または、従業員が300名を超えてしまうとこの信金会員から脱退しなければならないことから、信用金庫は大企業ではなく地域の繁栄に資する中小企業のための金融機関であることが伺えます。
また、メガバンクに比べて信用金庫の方が法人口座を開設しやすいという特徴もあります。
代表的な信用金庫として、城北信用金庫・城南信用金庫があります。
ゆうちょ銀行
ゆうちょ銀行は、日本郵政公社の民営化によって2007年10月に設立された金融機関です。全国にある郵便局で金融商品の手続きができることからアクセス面でのメリットがある反面、預け入れができる金額に制限があり、1,300万円を超える金額は預け入れができないというデメリットがあります。
2019年からインターネットバンキング(ゆうちょBizダイレクト)にも対応できるようになりましたが、無料で利用できる範囲では1日の送金額の上限が5万円(追加設定で1000万円まで対応可)であり、法人専用のサービスには利用料金がかかるといった側面もあります。
口座維持のための手数料やATMでの現金引き出しの手数料が無料であるといった有益な特徴に加えて、法人税の電子納税に対応しているといった利便性が拡張していることが伺えるので、自社での申し込みのタイミングで改めてゆうちょ銀行の公式情報にもあたることをオススメします。
ネット銀行
ネット銀行は、主にインターネットを利用した取引が中心となる銀行です。店舗数が極めて限られており、中にはまったく店舗のない銀行も存在します。
24時間いつでもインターネットを介して振込や決済ができることが1番のメリットでしょう。さらに料金面では、口座維持のための手数料がかからないことや振込手数料が他の銀行に比べて安いこと、預金の金利が高いといった特徴があります。
また、業界の最先端の技術を駆使したWebページが実装されていることが多く、ユーザーインターフェースが意識された、操作画面が分かりやすいサービスを利用できるといった特徴もあります。
しかし、メリットばかりではなくメガバンクや地方銀行・信用金庫に比べて取引先からの信用度が低く見られてしまうというデメリットもあります。(※ネット銀行の信頼性が無いという訳ではなく、ネット銀行に抵抗がある経営者の方や相対的に見た場合の信用度を指します。)
また、支店を持たないネット銀行が多いことから対面での相談が難しいケースもあるのが特徴として挙げられます。
代表的なネット銀行は、PayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)、楽天銀行、住信SBIネット銀行、GMOあおぞらネット銀行などが挙げられます。
まとめ
ここまで、金融機関を選択する上でのポイントや金融機関ごとのメリットや違いを中心に解説してきました。
本記事が、これから法人口座を開設予定の起業家・個人事業主・会社員・経営者の方のご参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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