確定申告で戻る還付金はいつもらえる?計算方法は?
個人事業主の税金は何種類?納付期限や節税対策を解説
個人事業主の皆様は雇用者と異なり、税金を自分で納める必要があることはご存知かとおもいますが、納める税金の種類や納付期限をしっかり理解できていますでしょうか?
納税の基礎知識に加えて、節税対策のノウハウを身につけることも事業をするうえで重要なことです。
この記事では、個人事業主が知っておくべき税金の種類、納付期限や節税対策について解説します。
目次
◆個人事業主が支払うべき税金の種類と納付期限
毎月の給料から天引きされる雇用者とは異なり、個人事業主になると確定申告をして自分で納税をすることになります。個人事業主が支払う義務がある税金は大きく分けて4種類あり、それぞれ納付期限が設けられています。まずは、税金の種類と納付期限(支払う期限)についてみていきましょう。
1. 個人事業税
個人事業税とは、事業内容に応じて課される税金のことを指し、8月と11月に各都道府県に納める税金です。個人事業税は経費扱いとして処理ができるのが特徴で、年間で事業 所得が290万円以下の場合は納税の必要がありません。
2. 所得税と復興特別所得税
所得税とは、1月1日から12月31日までの所得に対して課せられる税金です。毎年2月16日から3月15日までの期間に確定申告を行う必要があります。事業所得が多いほど税率が高くなる累計課税とよばれる納税方法により税金が課せられます。
さらに、平成2010年から東日本大震災からの財源確保を目的とした復興対策として復興特別所得税が実施されています。復興特別所得税は2013年から2037年までの期間に納税が義務づけられています。
3. 住民税と復興特別税
毎年4回、6月、8月、10月、1月に個人事業主の事務所がある都道府県の区、市、町、 村に支払う税金です。一括支払いをすることも可能で、その場合には納税額が少し安 くなります。住民税は、確定申告後に送られてくる納付書に記載された金額を納めます。2014年度から2023年度までは復興特別税として、都道府県税と市町村税でそれぞれ年間、合計1000円が加算されます。
4. 消費税
消費税は商品を販売した時や何かのサービスを提供した時に、消費者やサービス利用者 から徴収した消費税分から仕入れや経費として支払った消費税分を控除した金額で す。原則として翌年3月31日までに申告して納税します。
個人事業主の消費税は、一般の消費税とは異なり前々年のがを超え ると納税の義務が発生します。しかし、前年の1月1日〜6月30日の特定期間に を超えた場合には事業開始から2年以内であっても消費税が課せられます。
◆いくら納めるのかを知るには課税所得の確認を
個人事業主が支払う4種類の税金は計算方法がそれぞれ異なります。ここでは、各税率や計算方法について解説します。
1. 個人事業税
個人事業税は各都道府県に登録している個人事業主について納税が必要なので、問い合わせてください。
東京都の場合は以下の表の通りです。
東京都主税局「個人事業税」 | ||
第1種事業(37業種) | 5% | 物販販売業 等 |
第2種事業(3業種) | 4% | 畜産業 等 |
第3種事業(28業種) | 5% | 医業 等 |
第3種事業(2業種) | 3% | あん摩・マッサージ 等 |
計算方法:事業税額 =(収入金額-必要経費-各種控除)× 税率
※従業者(家族従業員)がいる場合は専従者給与分を差し引くことが可能です。
2. 所得税と復興特別所得税
所得税の計算は、以下のように全所得の合計金額から医療費など所得から控除できる金額を引き算し、税法で決められた税率を掛け算し、控除額を引き算します。
1. 収入-必要経費=所得
2. 所得-所得控除=課税所得金額
3. 課税所得金額×税率=納税額
4. 納税額-税額控除=申告納税額
A課税所得金額 | B税率 | C控除 |
1,000円~1,949,000円まで | 5% | 0円 |
1,950,000円から 3,299,000円まで | 10% | 97,500円 |
3,300,000円から 6,949,000円まで | 20% | 427,500円 |
6,950,000円から 8,999,000円まで | 23% | 636,000円 |
9,000,000円から17,999,000円まで | 33% | 1,536,000円 |
18,000,000円から 39,999,000円まで | 40% | 2,796,000円 |
40,000,000円以上 | 45% | 4,796,000円 |
令和3年分所得税の税額表 〔 求める税額 =A × B - C〕
引用:国税庁「所得税の速算表」
復興特別所得税は、上記の計算で算出された所得税×2.1で計算します。
3. 住民税
住民税には均等割と所得割の2種類の税金があります。また、復興特別税として都道府県税と市町村税でそれぞれ年間、合計1000円が2014年度から2023年度まで加算されます。
均等割
都道府県に個人事業事務所があり該当する分 :一律 1,500円
市町村民税に個人事業事務所があり該当する分:一律 3,500円
所得割
前年の所得額から所得控除額を引き算し、標準税率10%を掛け算して税額控除額を引き算した額が所得割の金額です。税率は、都道府県民税と市町村民税を合計して10%を標準税率として定められています。
所得割=(事業所得金額-所得控除額)×-税額控除
4. 消費税
消費税の計算方法は以下の通りです。
消費税=課税売上高(税抜き)×税率-課税仕入れ高(税抜き)×税率
消費税率
・標準税率:7.8%(国税)2.2%(地方税)の計10%
・軽減税率:6.24%(国税)1.76%(地方税)の計8%
消費税の課税期間ごとに支払った消費税額の方が徴収した消費税額よりも多い場合には消費税の還付をしてもらえることもあります。
クリックで拡大できます
引用:国税庁「消費税のしくみ」
◆節税対策ですべきことは?
個人事業主として、節税をすることは正しい事業利益を得て、適正額を納税することです。節税対策は知識がある事業主と、ない事業主とで大きく差が開きます。必要経費として計上できるにも関わらず知識がないために損をしてしまわないように、正しい節税対策をすることが大切です。ここでは節税対策について3つの対策方法をご紹介します。
できるだけ経費として落とす。
事務所と自宅を兼用している個人事業主は、水道光熱費の一部や家賃を事業運営としての必要経費として計上することができます。その場合、住まい全体の面積から事務所として使用している面積の割合に基づき事業の必要経費に計上が可能です。
その他にも必要経費は事業に関連する費用について、できるだけ処理することが節税対策になります。日頃から領収書やレシートなどは必ず月別に一か所に保管して確定申告の時には、すぐに必要経費として計上できるようにしておくといいでしょう。
経費の浪費をしないことも個人事業主として大切です。特に現金による支出が発生する時には事業が赤字にならないように不要なものの購入はしないようにするのが得策です。
商品を販売している個人事業主であれば、できるだけ商品の売上を先延ばしにすることが節税対策としてのメリットを受けることができます。
売上の基準は①出荷基準※¹②納金基準※²③検収基準※³など自由に決めることが出来ますこの場合、①出荷基準よりも③検収基準のほうが売上を先延ばしにすることが出来ま。ただし、この内容の諸条件については契約書に記載された通りとなりますのでむやみに先送りしないように注意が必要です。
※1:店舗、工場、倉庫などから商品を出荷した時点で売上計上する基準
※2:取引の相手方に納品されたときに売上とする基準
※3:納品した品物を相手方が検査して受け入れた時点で売上とする基準
確定申告は青色申告で行う
毎年行う確定申告は、青色申告で行うことで個人事業主は大きなメリットを得ることができます。ここでは代表的なメリットを4つ。
メリット1 家族経営の事業は家族の給与を経費にできる
個人事業主は、家族を雇用している場合が多く、このような雇用の場合には家族に支払っている給与を経費として計上することができるため節税対策にもなります。
メリット2 赤字繰り越しができる
事業で赤字がある場合には、青色申告をすれば翌年以降の所得から控除して赤字 を最長3年間繰り越しすることができます。しかし、白色申告をした場合、その 年が赤字でも翌年が黒字なら税金を支払う必要があります。
メリット3 最大65万円の特別控除が受けられる
最大65万円の控除が受けられる青色申告は事業者にとって節税になります。
メリット4 貸倒引当金を必要経費にできる
貸倒引当金とは、一定額の引当金を金銭債権や売掛債権の残高に対して売掛金が回収できないリスク回避のために計上することです。事業主は青色申告を行うことで、この資金を必要経費にすることができます。
◆まとめ
税金は個人事業主にとって直接事業収入に関わる重要なことです。そのため、個人事業主が納める税金の種類と計算方法、納期を理解することは必要不可欠です。個人事業主になったら税金を正しく理解して、上手に節税対策をしましょう。
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