建設業の節税方法とは?正しく賢く節税を

建設業の節税方法とは?正しく賢く節税を

納税は国民の義務とはいえ、大変な負担です。
せっかく一所懸命働いて得たお金なのに、結構な額を税金で持っていかれてしまうのは、残念でもあります。大切なお金ですから、できるかぎり節税したいものですよね。
もちろん正しく納めるのは当然として、有効な節税策を実行するかしないかで手元に残るお金に大きな差が出るのです。

今回はいくつか使える節税策をご紹介します。
最後までお付き合いください。

1.節税と脱税について

経営者の皆様も一度は耳にしたことがある【節税】とは一体何を指しているかご存じでしょうか?
簡単に言うと節税とは「税務制度にのっとって合法的に税金の額を減らすこと」です。
当たり前ですが、国が定めたルールを守っていれば合法的な「節税」です。
しかし、ルールから逸脱して税金を減らすことは「脱税」であり、処罰の対象です。
脱税と認められてしまうと追徴課税などによって通常より多くの税金を納める羽目になります。

しっかりと理解したうえで節税対策を行っていきましょう。

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2.よく使われる節税の手段

一言で節税対策と言っても様々な手法があり、会社によって取る手段は何通りもあります。
その中でも一般的によく使われている節税の手段をご紹介します。

・小規模企業共済

こちらは個人事業主でも実践できる節税策ですので、ご存じの方もいるかと思います。
通常、企業に勤めている方は退職時に会社から退職金を支給されますが、経営者の方に退職金はありません。
この制度は、会社経営者が役員を退任した時などの生活資金をあらかじめ積み立てていくための共済制度になります。

掛金も数千円から始められて、大きな負担になりません。
「老後2000万円問題」と言われる時代ですので、節税をしながら積み立てが出来るこの制度はおすすめです。

・倒産防止共済

正式には「中小企業倒産防止共済」と言い、「経営セーフティー共済」とも呼ばれています。
こちらは前述の小規模企業共済と似ていますが、契約者が法人になります。

一つの建設物を作るにあたり、多くの人・企業が絡む建設業。
仮に一社が倒産した際に未払い金があると、連鎖的に倒産の危機に陥るケースが想定されます。
この制度は自社が連鎖倒産してしまうことを防ぐことにあります。

こちらも掛金が少額で導入しやすい制度となっていますので、何かあった際の保険として検討していただくことをおすすめします。

他にもいくつか節税対策はありますので、気になる方がいましたらお問い合わせください。

3.良くない節税の手段とは?

ここまでいくつか節税の手段について記載させていただきましたが、中には少し間違った節税の手段を取っているお客様もいます。

それは「節税のためにと要らない買い物を繰り返している」お客様です。
結局無駄な出費を増やしただけで、会社にお金を残せていないケースです。

例えば、利益100万円、税率15%だとします。

① 利益100万円で節税しないケース
100万円×15%=税金15万円
税金を払った後に残る残金=75万円

②利益100万円で節税のため、80万円の車を購入
(100万円-80万円)×15%=税金3万円
税金を払った後に残る残金=17万円

この二つのパターンを比べてみると
①税金15万円 会社の残金75万円
②税金3万円(△12万円) 会社の残金17万円(△58万円)
となります。

どうしても車が必要だった場合は節税にもなり、必要な物が買えたので良いことですが、無駄な物を購入した場合は「現金を減らしただけ」となってしまうのです。
会社経営の中で現金を持つことは非常に重要になります。
会社に利益が出た際は、会社にとって本当に必要な物を見分けてから購入していただければと思います。
税理士に依頼するなどして、できるだけ早めに決算準備を始め、余裕をもって節税対策を行うと良いでしょう。

まとめ

起業したての企業にとってなによりも重要なのは、「安定した経営を目指す」ということです。
節税になるからと不要な部品を大量に購入したり、今はいらない車を買ったりしていては、結局手元に残るお金が減ってしまいます。
本当に必要な時に「お金がない!」となってしまわないようにバランス良く節税をして行きましょう。

著 者

SOICO株式会社
共同創業者&代表取締役CEO
茅原 淳一 (かやはら じゅんいち)

慶應義塾大学卒業後、新日本有限責任監査法人にて監査業務に従事。 その後クレディスイス証券株式会社を経て2012年KLab株式会社入社。 KLabでは海外子会社の取締役等を歴任。2016年上場会社として初の信託を活用したストックオプションプランを実施。 2015年医療系ベンチャーの取締役財務責任者に就任。 2018年よりSOICO株式会社の代表取締役CEOに就任。公認会計士。

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