fbpx

COLUMN

コラム

【2023年度・令和5年度】IT導入補助金の概要 〜申請可能なITツールや枠と類型について解説〜

執筆者:茅原淳一(Junichi Kayahara)

『資金調達の手引き』
調達ノウハウを徹底解説

資金調達を進めたい経営者の方の
よくある疑問を解決します!

今すぐ視聴

事業で利用するパソコンや実務にも使用するソフトウェアなどITに関連する需要は年々高まっています。

同じパソコンを何年も使っているとオフィスなど最新版のソフトウェアのライセンスが切れるなど、新しいソフトウェアを導入しないといけない状況に直面している企業は多く存在します。

そこで、本記事ではパソコンやソフトウェアなどITに関係するツールにかかる経費の一部を補助するIT導入補助金について説明していきます。

コロナ対策を中心とした融資・助成金についてはこちらの記事もご参照ください。
コロナ対策融資・助成金の活用方法を徹底解説

また、他の補助金・助成金などについてはこちらの記事もご参照ください。
【2022年最新版】まだ間に合う?申請しやすい補助金・助成金!新設枠の解説も!
【2022年度】ものづくり補助金の概要〜補助金の活用と類型について解説〜
2022・令和4年版|小規模事業者持続化補助金の概要・採択のポイントを解説!

IT導入補助金とは?

IT導入補助金とは、中小企業や小規模事業者などが自社の課題やニーズに合ったITツールの導入を支援する補助金です。

例えば、コロナウイルスの影響で実店舗での販売数が減った小売店が、オンラインストアやPOSシステム向けのeコマースプラットフォームであるShopifyを導入する時にIT導入補助金を活用することが可能です。

また、自社の会計処理をエクセルの手入力で行っている企業がマネーフォーワードを導入して、日々の取引の入力などの面倒な作業を自動化して、業務効率を改善する場合にもIT導入補助金を活用することが可能です。

IT導入補助金の対象事業者

飲食、宿泊、卸・小売、運輸、介護、保育などサービス業だけでなく、製造業や建設業など幅広い事業者の方々が対象となっております。

ただし、業種によって資本金の金額と従業員数によっては、補助金の対象外となってきます。

詳しくは、以下の表の資本金以下でなおかつ常勤の従業員数以下である必要があります。

上記の他に、以下の6つの条件にあたる企業は対象外となります。
(1)発行済株式の総数又は出資価格の総額の2分の1以上を同一の大企業が所有している企業
(2)発行済株式の総数又は出資価格の総額の3分の2以上を大企業が所有している企業
(3)大企業の役員又は職員を兼ねている者が、役員総数の2分の1以上を占めている企業
(4)発行済株式の総数又は出資価格の総額を(1)~(3)に該当する企業が所有している企業
(5)(1)〜(3)に該当する企業の役員又は職員を兼ねている者が役員総数の全てを占めている企業
(6)確定している(申告済みの)直近過去3年分の各年又は各事業年度の課税所得の年平均額が15億円を超える企業

一番起こりやすいケースに絞って要約すると
発行済株式の総数の半分以上を大企業が所有している
役員の中に大企業の役員もしくは職員を兼ねる人が半分以上いる

企業は補助金の対象外となってきます。

【2023年変更点】IT導入補助金2022年との違い

2023年度のIT導入補助金では以下の点が変更となりました。
・【デジタル化基盤導入枠】ソフトウェア購入費・導入関連費・ハードウェア購入費における補助下限額の撤廃
・【デジタル化基盤導入枠】商流一括インボイス対応類型の新設
・【通常枠】 A類型において補助下限額が5万円まで引き下げ
・【通常枠】 クラウド利用料の期間が1年から2年に

【2022年変更点】IT導入補助金2021年との違い

IT導入補助金は年度によって内容が変わってきます。

2022年の主な変更点として以下の5点が挙げられます。

会計・受発注・決済・ECに関するソフトウェア・クラウドサービスの費用の補助率が4分の3になったこと
ホームページの制作が補助金の対象外となったこと
補助金の採択前に購入したものが補助金の対象外になったこと
2021年度の補助金の締め切りは5回だったが2022年度は10回以上締め切りがあること
申請内容の入力において「5年分の売上推移」や「従業員給与」に関する事項がなくなり簡素になったこと(デジタル化基盤導入類型)

IT導入補助金の類型

IT導入補助金には、以下の5つの類型があります。

通常枠(A類型)
通常枠(B類型)
デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)
デジタル化基盤導入枠(商流一括インボイス対応類型)
デジタル化基盤導入枠(複数社連携IT導入類型)
セキュリティ対策推進枠

それぞれ簡単にまとめると次のようになります。

  対象経費
補助率 補助上限額
通常枠(A類型) ソフトウェア購入費、クラウド利用料(最大2年分)、導入関連費

1/2以内

5万円〜150万円未満

通常枠(B類型)

150万円〜450万円以下

デジタル化基盤導入枠
(デジタル化基盤導入類型)
ソフトウェア購入費、クラウド利用料(最大2年分)、導入関連費、ハードウェア購入費
会計・受発注・決済・ECソフト 3/4以内

50万円以下

2/3以内

50万円超〜350万円

PC・タブレット等 1/2以内

〜10万円

レジ・券売機等

〜20万円

デジタル化基盤導入枠
(複数社連携IT導入類型)

(1)デジタル化基盤導入類型の対象経費(上記同様)
   補助率:デジタル化基盤導入類型と同様

(2)消費動向等分析経費(上記(1)以外の経費)50万円 × 参画事業者数 
   補助率:2/3以内     補助上限:(1)+(2)で3000万円

(3)事務費・専門家費 
   補助率:2/3以内     補助上限:200万円

セキュリティ対策推進枠 サイバーセキュリティサービス利用料(最大2年分)
1/2以内

5万円〜100万円

通常枠(A類型・B類型)

通常枠では、以下の7項目が申請対象となります。

(1)顧客対応・販売支援
(2)決済・債権債務・資金回収管理
(3)調達・供給・在庫・物流
(4)会計・財務・経営
(5)総務・人事・給与・労務・教育訓練・法務・情シス
(6)業種固有プロセス
(7)汎用・自動化・分析ツール

特に、(6)の業種固有プロセスにおいては建設に使う施工管理やCADのようなサービスや医療関係で用いるオンライン診療システムなど業界に特化したソフトウェアの購入やクラウドサービスの利用が補助対象となります。

  通常枠
A類型 B類型
補助額 5万円〜150万円未満

150万円〜450万円以下

補助率

1/2以内

機能要件プロセス数 1以上

4以上

ITツール要件

類型ごとのプロセス要件を満たすものであり、労働生産性の向上に資するITツールであること

賃上げ目標 加点

必須

補助対象

ソフトウェア費・クラウド利用料(最大 2年分)・導入関連費等

デジタル化基盤導入枠

デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)では中小企業・小規模事業者が導入する

会計ソフト
受発注ソフト
決済ソフト
ECソフト

の経費の一部を補助することで、インボイス対応も見据えた企業間取引のデジタル化を推進することを目的としています。

PCやタブレットなどハードウェアの導入を考えている方は、この類型での申請となります。

デジタル化基盤導入類型

デジタル化基盤導入類型では、先述した「会計ソフト」「受発注ソフト」「決済ソフト」「ECソフト」のうち1機能以上を導入する場合に50万円部分までの3/4以内(75%)の割合で補助金が出ます。

また、2機能以上のソフトの導入に対して、50万円を超える部分から350万円部分までの2/3以内(約66%)の割合で補助金が出ます。

デジタル化基盤導入類型(ソフトウェア購入費など)
補助額

ITツール

下限なし 〜350万円以下

内、〜50万円以下部分

内、〜50万円超〜350万円部分

機能要件

会計・受発注・決済・ECのうち1機能以上

会計・受発注・決済・ECのうち2機能以上

補助率 3/4以内

2/3以内

対象ソフトウェア

会計ソフト、受発注ソフト、決済ソフト、ECソフト

賃上げ目標

なし

補助対象

ソフトウェア購入費・クラウド利用料(最大2年分)・導入関連費

 

デジタル化基盤導入類型(ハードウェア購入費)
補助対象 PC・タブレット・プリンター・スキャナー・複合機

レジ・券売機等

補助率

1/2以内

補助額 〜10万円

〜20万円

商流一括インボイス対応類型

2023年に追加された新しい類型に「商流一括インボイス対応類型」があります。

これは、インボイス制度に対応した受発注の機能を有しているものであり、かつ取引関係における発注側の事業者としてITツールを導入する者が、当該取引関係における受注側の事業者に対してアカウントを無償で発行し、利用させることのできる機能を有するものという機能概要が定められています。

商流一括インボイス対応類型では、中小企業と小規模事業者等に対して2/3(約66%)の割合で補助金が出ます。

商流一括インボイス対応類型
補助額 ITツール
下限なし 〜350万円以下
機能要件 インボイス制度に対応した受発注の機能を有しているものであり、かつ取引関係における発注側の事業者としてITツールを導入する者が、当該取引関係における受注側の事業者に対してアカウントを無償で発行し、利用させることのできる機能を有するもの
補助率

2/3以内(中小企業・小規模事業者等

1/2以内(その他の事業者等)

補助対象

クラウド利用費(クラウド利用料最大2年分)

※契約する受注側のアカウント総数のうち、取引先である中小企業・小規模事業者等に供与するアカウント数の割合を乗じた額が補助対象経費とする。

複数社連携IT導入類型

デジタル化基盤導入枠の複数社連携IT導入類型では、個々の企業のデジタル化、DX化の推進を行うと同時に、業務上の繋がりのある「サプライチェーン」や特定の商圏で事業を営む「商業集積地」(商店街など)において、複数の中小企業や小規模事業者などが連携してITツールの導入をすることにより、デジタル化やDX化の実現や生産性の向上を図ることを目的とした補助金です。

セキュリティー対策推進枠

セキュリティー対策推進枠は、中小企業・小規模事業者に対して、サイバーインシデントが原因で事業継続が困難となる事態を回避するとともに、サイバー攻撃被害が供給制約や価格高騰を潜在的に引き起こすリスクや生産性向上を阻害するリスクを低減することを目的とした補助金です。

セキュリティー対策推進枠
補助額 5万円〜100万円
補助率 1/2以内
機能要件 サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト
補助対象 サービス利用料(最大2年分)

IT導入補助金の対象となるITツール

IT導入補助金の対象となるITツールは以下の5つになります。

ソフトウェア購入費
クラウド利用料
導入関連費
ハードウェア購入費
サービス利用料

ソフトウェア購入費・クラウド利用料

パソコンやタブレット内で事業のために用いるソフトウェアの購入に対して補助が出ます。

また、月々の利用料を支払うことサービスを利用するクラウド利用料への補助が対象となります。

対象となるソフトウェアおよびクラウドサービスは、通常枠とデジタル化基盤導入枠によって違います。

具体的には、デジタル化基盤導入枠では「会計やEC」といった特定のサービスに限定されているのに対して、通常枠は業種に合わせた様々なソフトウェアやクラウドサービスに対して補助金を活用することができる点で違いがあります。

導入関連費

ソフトウェアやクラウドサービスの導入に関連する役務である導入関連費に対して補助が出ます。

具体的な内容はIT支援事業者によって違いますが、主に

ソフトウェア・クラウドサービスの初期設定
ソフトウェア・クラウドサービスの活用に関する研修
設置運搬費用(後述のレジ関連など)

に対して発生する費用についても補助対象となっています。

導入関連費は枠と類型に関わらず同じ扱いになります。

ハードウェア購入費

ハードウェア購入費は、複合機器に関係する5種類とレジに関係する3種類に対して補助が出ます。

PC
タブレット
プリンター
スキャナー
それらの複合機器

また、レジ関係に関しては

POSレジ
モバイルPOSレジ
券売機

になります。

ハードウェア購入費はデジタル化基盤導入枠のみ申請可能です。

サービス利用料

サービス利用料は、サイバーセキュリティに関するサービスの利用料に対して補助が出ます。

具体的なサービスについては、独立行政法人情報処理推進機構で定められている「サイバーセキュリティお助け隊サービス制度」の中で紹介されています。

詳しくは サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト をご確認ください。

IT導入補助金の対象外となる経費

IT導入補助金の対象外となる経費の中で代表的なものとして

すでに購入済みのソフトウェア(およびハードウェア)
一般市場に販売されていないもの
広告宣伝に関するもの
ホームページ制作
WEBアプリ制作
コンテンツ制作
料金体系が従量課金方式のもの

などがあります。

IT導入補助金のスケジュール

IT導入補助金の締切は以下のように発表されています。(※2023年4月時点)

採択結果は概ね1ヶ月程度になります。

 
通常枠
1次締切分 締切日

2023年4月25日(火)17:00

交付決定日

2023年5月31日(水)

2次締切分
締切日

2023年6月2日(金)17:00

交付決定日

2023年7月11日(火)

3次締切分 締切日

2023年7月10日(月)17:00

交付決定日

2023年8月22日(火)

4次締切分

締切日

2023年7月31日(月)17:00

交付決定日

2023年9月12日(火)

セキュリティ対策推進枠
1次締切分
締切日

2023年4月25日(火)17:00

交付決定日

2023年5月31日(水)

2次締切分
締切日

2023年6月2日(金)17:00

交付決定日

2023年7月11日(火)

3次締切分 締切日

2023年7月10日(月)17:00

交付決定日

2023年8月22日(火)

4次締切分
締切日

2023年7月31日(月)17:00

交付決定日

2023年9月12日(火)

デジタル化基盤導入枠
(デジタル化基盤導入類型)

1次締切分
締切日

2023年4月25日(火)17:00

交付決定日

2023年5月31日(水)

2次締切分
締切日

2023年5月16日(火)17:00

交付決定日

2023年6月21日(水)

3次締切分
締切日

2023年6月2日(金)17:00

交付決定日

2023年7月11日(火)

4次締切分

締切日

2023年6月20日(火)17:00

交付決定日

2023年8月1日(火)

5次締切分

締切日

2023年7月10日(月)17:00

交付決定日

2023年8月22日(火)

6次締切分

締切日

2023年7月31日(月)17:00

交付決定日

2023年9月12日(火)



デジタル化基盤導入枠
(商流一括インボイス対応類型)

1次締切分 締切日

2023年7月10日(月)17:00

交付決定日

2023年8月22日(火)

2次締切分 締切日

2023年7月31日(月)17:00

交付決定日

2023年9月12日(火)

デジタル化基盤導入枠
(複数社連携IT導入類型)


1次締切分 締切日

2023年5月31日(水)17:00

交付決定日

2023年7月上旬予定

2次締切分 締切日

2023年7月31日(月)17:00

交付決定日

2023年9月中旬予定

 

IT導入補助金の申請から交付までの6ステップ

IT導入補助金は他の補助金に比べて比較的、早く交付されます。

申請するITツールが決まっていれば、IT支援事業者にもよりますがだいたい2〜5日程度で申請できます。

その後、補助金申請の締切から採択結果が出るまでに1ヶ月かかります。

採択後も、事業者によりますがITツールの導入や購入などは2週間から2ヶ月ほどかかります。

(※世界的な半導体不足により入荷に時間がかかるIT機器もあるため長い場合があります。)

IT機器の導入が終わった後は、補助金申請のページから事業の報告をすることでだいたい2週間程度で補助金が入金されます。

IT導入補助金公式ページより引用)

以下、それぞれの行程について説明していきます。

1.導入ITツールの検討

まずは、どのようなITツールを導入するのかについて検討をします。

そもそもIT導入補助金が活用できるかどうかを考えることは非常に重要です。

ソフトウェア・クラウドサービスによっては申請対象外となるものもあります。

最初に、IT導入補助金の公式ページにある「IT導入支援事業者・ITツール検索」から調べてみましょう。

2.事業者の選定

次に、IT導入補助金の申請を支援している事業者を決める必要があります。

この事業者のことを「IT導入支援事業者」といいます。

必ずしも自社が導入を希望するITツールを取り扱っていない可能性があるので、申請をお願いする事業者が取り扱っているかどうかを確認するようにしてください

こちらも、IT導入補助金の公式ページにある「IT導入支援事業者・ITツール検索」から調べることができます。

3.申請・採択結果

申請するITツールとIT導入支援事業者が決定したら、次は申請です。

申請の際には「GbizID」という行政が発行しているIDを所有していることが必要です。

このIDの発行には概ね1〜2週間かかると言われています。

また、GbizIDの発行には「印鑑証明」が必要となってきますので、あらかじめ用意しておきましょう。

詳しくは GbizID公式ページにてご確認ください。

IT導入支援事業者にGbizIDを取得したメールアドレスを伝えることで、補助金の申請ページを作成してもらうことができます。

自社の基本情報や簡単なアンケートなど大体1時間程度で入力できるものになっています。

申請が完了した後は、採択結果を待ちます。

公募締切から1ヶ月ほどで採択結果が発表されます

4.ITツールの購入

無事に補助金の採択が決定した後は、ITツールの購入です。

ITツールの購入時に注意すべき点は、

補助金の採択結果が発表された後にITツールを購入すること
購入先は補助金の申請を担当したIT導入支援事業者にすること

になります。

補助金の採択結果が出る前に購入したものや自社の補助金申請を担当したIT導入支援事業者以外から購入したものは対象外となってしまいますので、十分に注意をしましょう。

5.事業実施実績報告

ITツールの導入が済んだら、その旨をIT導入補助金の申請ページより報告する必要があります。

IT導入支援事業者と取引を行った証憑や請求書・納品書などいくつかの書類をシステム上でアップロードしましょう。

この事業実施実績報告の内容に誤りがなければ、2週間程度で補助金が登録した銀行口座に振り込まれます

6. 事業実施効果報告

補助金の申請・導入が終わった後は、事業実施効果報告が必要です。

具体的には、補助金でITツールを導入した後に経営状況がどのように変化したのかをIT導入補助金の申請マイページ上で簡単に報告します。

次年度以降も同じIT導入補助金の申請を考えているならば、補助金を使って導入したITツールの効果について報告することをお勧めします

行政関係の補助金申請は経済産業省や中小企業庁の中で記録が残るので、報告を忘れてしまうと不利になってしまいます。

IT導入補助金の申請時の注意点について

IT導入補助金の申請にはいくつか注意点があります。

「IT導入支援事業者」に登録しているITベンダーの協力が必須
ITベンダーによって取り扱えるITツールが違う
履歴事項全部証明書と納税証明書が必要

それぞれについて説明していきます。

「IT導入支援事業者」に登録しているITベンダーの協力が必須

IT導入補助金への申請には「IT導入支援事業者」に登録しているITベンダーと一緒に申請する必要があります。

端的にいうと、自分自身だけで申請することができない補助金になっています。

IT導入支援事業者に登録されている企業については「IT導入支援事業者・ITツール検索」から探すことができます。

ITベンダーによって取り扱えるITツールが違う

IT導入支援事業者すべてがあらゆるITツールを取り扱っているわけではありません。

建築や建設関係に使うITツールが豊富
病院のカルテや介護の管理ソフトなどのITツールに強い
卸売や小売に関する販売管理のクラウドサービスとハードウェアをセットで扱っている

など、IT導入支援事業者によって全然違ってきます。

こちらについても、「IT導入支援事業者・ITツール検索」より調べることができます。

履歴事項全部証明書と納税証明書が必要

IT導入補助金を申請するには、法人の場合

履歴事項全部証明書(登記簿謄本)
納税証明書

が必要になってきます。

それぞれ、平日の日中に特定の行政施設に出向いて手続きを経る必要があります。

特に、納税証明書は市役所などで発行されているものではなく「税務署で発行されているもの」に限られてきます。

また、納税証明書は「1期以上の決算」をしている必要があり、創業間もない企業は対象外となる可能性がありますので注意をしましょう。

求められている書類と違う書類を添付してしまうと、それだけで不採択になってしまいますので書類の準備は余裕をもって行うことが大切です。

IT導入補助金が採択されやすくするには?

IT導入補助金の採択基準は公式に発表されていませんが、採択される企業と不採択だった企業の特徴を解説していきます。

申請内容を正確に書くこと

補助金や助成金だけでなく、あらゆることに共通する内容ですが申請内容を正確に書くことはとても重要です。

住所が間違っている
役員の役職名が間違っている
履歴事項全部証明書に載っている内容と違う業種で申請している

など、申請内容にミスがある場合があります。

数字情報を間違えないこと

数字情報は

・資本金の金額
・売上の金額
・従業員の人数

などの決算書に関する情報のことです。

資本金額を1桁間違えたり、前期と前々期の売上を間違えていたり、従業員の人数の数え間違えなどが挙げられます。

求められている文章を書くこと

IT導入補助金の場合は、事業内容や、補助金を使って事業をどのように変えていくか、などの文章を記載することが求められます。

空欄で出すよりは、しっかり書いている企業の方が採択されている傾向があります。

まとめ

今回は、2022年度IT導入補助金についての基本的な制度の説明を中心にまとめてみました。

補助金・助成金は、企業側から考えると返済不要の資金のため利用するリスクは少ないですが、すぐに支給されなかったり、補助金・助成金の給付が課税対象になったりするなど注意が必要です。

また、補助金も助成金も種類が数多くあり、それぞれの制度を適切に理解して、自社にあった補助金・助成金を申請することはかなりの時間を要します。

補助金や助成金の情報収集や申請は専門性が高く、かつ対応に労力を要するので、「社長が本業の傍らで対応するのは困難」と言う声も聞きます。

一方、常勤CFOを採用するとコストが高いという問題があります。そんな問題を解決するため、SOICOでは「シェアリングCFO®︎」というCFOプロ人材と企業のマッチングサービスを提供しています。

シェアリング CFO®︎では、経験豊富なCFOのプロ人材に週1日から必要な分だけ業務を依頼でき、例えばベンチャー企業にて資金調達の経験のあるCFOにスポットで業務を委託することもできます。

シェアリングCFO®︎の活用事例について詳しく知りたい方は、下記の記事を参照してください。

シェアリングCFO®︎の活用事例ご紹介①

専門的かつ対応工数のかかるファイナンス業務はプロに任せて、経営者は事業成長にコミットできるような環境づくりをお手伝いします。

<資金調達関連記事>
資金調達の手段・方法には何がある?それぞれのメリット・デメリットも徹底解説!
ベンチャー・スタートアップの資金調達方法とは?投資ラウンド別・調達事例を含めて徹底解説!
エンジェル投資家とは?投資を受けるメリットや投資家の探し方を紹介!
エクイティファイナンスとは?種類/メリット・デメリット/事例について解説!
デットファイナンスとは?種類/メリット・デメリット/事例について解説!
アセットファイナンスとは?種類/メリット・デメリットについて解説!

<CFO関連記事>
CFO(最高財務責任者)とは?定義・意味から役割・仕事内容・なり方・キャリアパスまで徹底解説!
社外CFOを活用すべき3つの理由!CFO転職/採用はもう古い?
CFO採用とは?メリットやコスト、採用方法まで徹底解説!
CFOの平均年収はいくら?相場を詳しく解説!
CFO転職の方法とは?CFO転職のメリットやキャリアパスも徹底解説!
シェアリングCFO®︎の活用事例ご紹介①

スタートアップ・ベンチャーの経営をされている方にとって、事業に取り組みつつ資金調達や資本政策、IPO準備も進めることは困難ではないでしょうか。

財務戦略の策定から実行まで担えるような人材をを採用したくても、実績・経験がある人を見つけるのには非常に苦労するといったこともあるでしょう。

このような問題を解決するために、SOICOでは「シェアリングCFO®︎」というCFOプロ人材と企業のマッチングサービスを提供しています。

シェアリングCFO®︎では、経験豊富なCFOのプロ人材に週1日から必要な分だけ業務を依頼することが可能です。

例えば、ベンチャー企業にて資金調達の経験を持つCFOに、スポットで業務を委託することもできます。

専門的で対応工数のかかるファイナンス業務はプロの人材に任せることで、経営者の方が事業の成長に集中できるようになります。

「シェアリングCFO®︎」について無料相談を実施しているので、ご興味をお持ちの方はぜひ下のカレンダーから相談会の予約をしてみてくださいね!

この記事を書いた人

慶應義塾大学卒業後、新日本有限責任監査法人にて監査業務に従事。 その後クレディスイス証券株式会社を経て2012年KLab株式会社入社。 KLabでは海外子会社の取締役等を歴任。2016年上場会社として初の信託を活用したストックオプションプランを実施。 2015年医療系ベンチャーの取締役財務責任者に就任。 2018年よりSOICO株式会社の代表取締役CEOに就任。公認会計士。