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経営企画職に向いている人の特徴|経営企画職に向いていない性格についても解説
執筆者:茅原淳一(Junichi Kayahara)
CFOになるには?キャリアパスも解説
経理/会計/財務/経営企画などの管理部門としてのキャリア
どのような仕事を行うにしても、向いている人と向いていない人がいるものです。経営企画の仕事を行う上でも同じことが言えます。向いている人と向いていない人がいるのです。
経営企画職は、企業の経営を左右する重要な職種です。そのため、経営企画部門で働く人材には幅広いスキルが求められ、専門的な知識も必要となります。
そこで本記事では、経営企画職に向いている人の特徴を10項目にわけてご紹介します。向いていない人の性格や経営企画に求められているキャリアもご紹介しますので、経営企画部門からキャリアアップを検討している方や経営企画部門にキャリアチェンジすることを視野に入れている方は、ぜひ参考にしてください。
企業の財務に関連する活動の責任者であるCFOについては、こちらの記事もご参照ください。
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目次
経営企画の仕事
ベンチャー企業やスタートアップ企業の場合、企業の社長などの経営陣トップが経営企画を担当するケースが多くあります。企業にとって重要な経営企画職ですが、主な仕事内容は、以下の通りです。
・経営計画の立案
・経営管理
・ステークホルダーとの調整
・新規事業企画
・コーポレートガバナンス・IR対応
経営計画の立案には、さまざまな情報を収集し分析することが含まれています。分析後は、経営戦略に基づいて中長期計画や新規事業計画を立てます。それらの計画には、事業プロジェクトの提起、コンプライアンスの遵守などが含まれており、企業にとって重要な業務です。
経営企画職は、立案した経営計画の管理も行います。立案された計画も実行しなければ意味がありません。また、経営企画職は、計画が実行に移されるよう経営管理を行います。その管理の内容は幅広くさまざまですが、他部署との必要な調整を行い、経営管理をスムーズに行うことが求められています。
経営企画職は、自社の利益だけを管理するわけではありません。ステークホルダーにも利益が及ぶよう、経営企画部門は事業を進めます。たとえば、取引先やパートナー企業、地域社会や行政機関などのステークホルダーと交渉し、利害調整を実施していくことは経営企画職の仕事です。
また、企業において新規事業が必要になった場合、経営企画部門は新規事業企画を立案します。新規事業として着目した分野が、実際に成果を出せる事業かどうかを見定めることが経営企画職の仕事です。また、効果的な経営戦略を立案し、それを実行していくことも経営企画部門には求められています。
企業にとって経営に関する不正や不祥事は、企業の信頼性やイメージを悪くします。社員の不祥事や不正がニュースに取り上げられてしまうと、企業全体のイメージが悪くなります。経営に関する不正や不祥事を防止するために、経営企画部門は企業内における「コンプライアンス遵守」に携わります。また、自社のイメージや信頼感を守るために「コーポレートガバナンス」も経営企画職の仕事です。
さらに、IR業務も経営企画部門が行うケースが多いのが現状です。株主や投資家に企業の業績や財務状況などの情報を提供します。
経営企画の仕事を詳しくご紹介した、以下の記事もご覧ください。
⇒経営企画部門とは?業務内容・部門の重要性・求められるスキル・能力について徹底解説
経営企画職に向いている人の特徴
他の職種と同じように、経営企画の仕事にも向いている人と向いていない人がいます。ここでは、経営企画職に向いている人の特徴について10項目ご紹介します。
経営企画職に向いている人の特徴10項目は、以下の通りです。
・論理的に物事を考える人
・冷静な人
・行動的な人
・会計知識のある人
・精神的に強い人
・コミュニケーション力がある人
・情報収集が上手な人
・好奇心が強い人
・マルチタスクが得意な人
・全体を俯瞰的に未来を建設的に捉えられる人
論理的に物事を考える人
経営企画の仕事では、論理的に物事を考える必要があります。
1つの判断ミスが企業全体の経営に影響します。そのため、経営企画職に携わる人材には物事を論理的に考えられる思考力を備えていることが十分条件となります。論理的に物事を考えられる人は、自分の感情に支配されることなく、客観的に物事を捉え、幅広い視点から業務を進めていけるので、経営企画の仕事に向いている人と言えます。
冷静な人
冷静な人は、経営企画の仕事に向いている人と言えるでしょう。
たとえば、経営企画の仕事には業界全体に関係する数字を集めて分析する仕事が数多くあります。データとなる数字を集め、数字の推移の意味を分析するには冷静さが求められます。
また、冷静な人は、業務でミスをしてしまったとしても、慌てずに、そして冷静に現状を踏まえた対策を取ることが可能です。一時的な感情に左右されることがないため、安定した行動で職務を遂行していくでしょう。
行動的な人
経営企画の仕事には行動力が求められます。行動的な人は、経営企画の仕事に向いているでしょう。
たとえば、経営計画の立案を行っても、その計画が実行に移されなければ企業の利益にはなりません。経営企画部門で働く人材には、経営者の意思を実行に移す行動力が求められているのです。
しかし、経営者からの指示を単に実行に移すだけではありません。行動力がある人とは、周りを巻き込み、積極的に交渉に取り組んだり困難な場面を打開したりするために自ら行動する人のことです。各部署の責任者と積極的に交渉して、経営計画を円滑に進めていきます。
会計知識のある人
経営企画職は業務上、企業の会計状況の現状を把握している必要があります。そのため、経営企画職に向いている人とは、会計知識のある人とも言えるでしょう。
会計知識があることで、企業の会計状況を適切に判断することが可能です。企業の会計を適切に判断することは、企業戦略の策定や新規事業企画の立案につながります。
また、会社経営において会計知識があるかどうかは重要なポイントになります。経営企画職において、数字を使った論理的な説明や提案ができるということは大きな適正です。
さらに、経営企画職は経営戦略を実行に移すためのKPI設定や予算管理などを行います。その際、経営企画の人材には数字力が求められ会計知識が役立つでしょう。
精神的に強い人
経営企画の仕事はやりがいを感じられる仕事ですが、その責任の重さから大きなプレッシャーを感じ、つらいと思う人が多いのが現状です。そのため、経営企画の仕事には精神的な強さが求められます。精神的に強い人は、経営企画の仕事に向いているでしょう。
経営企画の仕事がつらいと感じる理由はいくつかあります。理由がどうであれ、精神的に強い人であれば、情熱的に仕事に取り組むことができ、多少の失敗をしたとしても前向きに業務に取り組んでいくことが期待できます。
コミュニケーション力がある人
経営企画部門は、調整役として、部署と部署の間に立ってプロジェクトをまとめ上げたりします。そのため、経営企画部門で働く人にはコミュニケーション力が求められるでしょう。
コミュニケーション力がある人は、各部署の立場や意見を把握して、事業を進めていくサポートをすることが期待できます。たとえば、企業にはいろいろな性格の人がいます。企業内のさまざまな人を巻き込み、まとめ上げるにはコミュニケーション力が必要です。
コミュニケーション力とは、「話す」だけではありません。「聴く」ことも重要なコミュニケーション力の要素です。経営陣の意見をよく聴き、経営陣の意向をくみ取る能力も、経営企画職には必要です。
情報収集が上手な人
経営企画職は、情報収集力に長けていなければなりません。たとえば、経営計画の立案では、さまざまな情報を収集し分析することが必要です。そのため、情報収集が上手な人は、経営企画職に向いている人と言えます。
日頃から空き時間を利用して情報収集する人や、知りたいことがあればすぐに検索して調べる人は、情報収集が上手な人と言えます。情報収集が上手な人は、業界の動向にいち早く気づき、企業戦略に反映していくことができるため、経営企画職に向いていると言えるでしょう。
好奇心が強い人
経営企画の仕事は、経営戦略の策定や新規事業の立案、経営管理など幅広いことが特徴です。そのため、経営企画職には幅広い知識が求められます。幅広い知識を追い求められる好奇心の強い人は、経営企画職に向いている人と言えるでしょう。
好奇心が強い人は、さまざまな分野にアンテナが広がっています。幅広くさまざまな知識を得ることが好きなため、能動的に学ぶことが可能です。能動的に学ぶことができるなら、経営企画部門に配属になった後でも、必要な知識を学んで取り入れていくことが期待できます。
マルチタスクが得意な人
経営企画職は、いくつもの仕事を同時にこなしていくことが必要なときもあるため、マルチタスクが得意な人は経営企画職に向いている人です。
経営企画の仕事は、1つの事柄だけに集中して業務を行っていれば良いというものではありません。経営企画職にはさまざまな業務が含まれています。そのため、マルチタスクが得意な人は、経営企画の仕事をこなしていくことが可能です。
また、マルチタスクが得意な人は、一般的に高い判断力も兼ね備えています。スピーディーに作業をこなしていくには、優先順位を見定める能力が必要だからです。
全体を俯瞰的に未来を建設的に捉えれる人
経営企画部門は、企業の経営計画などの立案を行う重要な立場です。企業の財務状況や強みなどを分析し、企業全体の視点で計画を立てることが求められています。そのため、経営企画の仕事には、企業経営の全体像を俯瞰的に捉えられる人が向いていると言えます。
また、経営企画の仕事には、企業の未来の利益を増加させることも含まれます。そのため、経営企画職に向いている人とは、未来を建設的に捉えることができる人とも言えるでしょう。
たとえば、M&Aを検討しているとしましょう。会社を買収するために一時的には多額のコストがかかるかもしれませんが、将来的に、買収した金額を上回る利益が見込まれれば成功です。経営企画には、そのような未来を想像する力が必要です。
経営企画職が向いていない性格
経営企画部門へのキャリアチェンジを考えている方は、自分が経営企画職に向いているかどうかを知る必要があるでしょう。また、人事担当者は、適切な人事配置を行うことができるよう、経営企画に向いていない人の特徴を抑えておく必要があります。
ここでは、経営企画に向いていない性格を3つご紹介します。
・発想力がない
・分析力がない
・判断力がない
発想力がない
経営企画の仕事には、新規事業企画の立案も含まれています。新規事業の立案では、企業の利益につながる新たな事業を提案し計画します。
たとえば、変化の激しい市場の中で、新たな分野を開拓したり、新たな商品を生み出していくにはアイデアが必要です。そのため、経営企画職には発想力が求められるでしょう。発想力に乏しくアイデアを考えられない人は、経営企画職に向いていないと言えるかもしれません。
分析力がない
経営企画の仕事は、社内事情の現状把握や市場の動向、競合他社の情報などを収集して分析することが含まれています。
成功する経営計画には、質の良い情報が必要不可欠です。そのため、経営企画職には、分析力が求められます。そのため、数字が苦手な人や分析力がない人は、経営企画職に向いていないと言えるでしょう。
判断力がない
情報収集が好きな人でも判断力がない人は、経営企画職に向いていないでしょう。多くの情報を収集しても、その情報を正しく分析し、適切に判断しなければなりません。
さまざまな情報を分析し企業の利益に反映させるには、入手した情報を整理してふさわしく活用することが必要です。
経営企画職に求められているキャリア
経営企画職に求められているキャリアにはいくつかあります。たとえば、以下の3つのキャリアが求められているでしょう。
・数字に関係した業務経験
・グローバルな仕事の経験
・チームでの業務経験
経営企画のキャリアパスについて詳しく知りたい方は、ぜひ下記のリンクをご覧ください:
⇒経営企画のキャリアの考え方|経営企画の業務とキャリアパス・必要なスキルを詳しく解説
数字に関係した業務経験
経営企画職に求められているキャリアの中に「数字に関係した業務経験」があります。経営企画の仕事には、市場の情報や自社の経営状況の分析などが含まれるので、会計などの数字を取り扱うことの多い職種と言えます。。会計や経理などの職種に携わってきた経験は、経営企画職でも活かされることでしょう。
グローバルな仕事の経験
「グローバルな仕事の経験」をしてきた方であれば、経営企画職の仕事にキャリアアップするチャンスがあるでしょう。
近年、日本企業も海外へ進出して取引き強化などを行う傾向にあります。海外の企業との取引には、語学などのスキルの他に、海外の企業との仕事の経験が必要です。海外での滞在経験があったり、語学力に長けていたりすると、経営企画職でも即戦力としての活躍が期待できます。
チームでの業務経験
また、経営企画部門は、各部署間での事業を遂行していく役割が与えられているため、コミュニケーション力やリーダーシップが求められます。これまで各部署間での事業を行い、チームをまとめる役割の仕事についていた人は、経営企画部門配属後も即戦力として活躍できます。具体的には、プロジェクトチームのリーダーとしての業務経験は経営企画職におすすめな職種と言えるでしょう。
まとめ
この記事では、経営企画職に向いている人の特徴を10項目にわけてご紹介してきました。
経営企画部門には、幅広い知識と専門的なスキルが求められているため、その業務に向いている人と向いていない人が存在します。自分がどちらの傾向にあるかどうかを見極め、経営企画職へのキャリアアップを目指してください。
本記事が、今後のキャリアを考えている方や社内のキャリアに関わるポジションの方のご参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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この記事を書いた人
共同創業者&代表取締役CEO 茅原 淳一(かやはら じゅんいち)
慶應義塾大学卒業後、新日本有限責任監査法人にて監査業務に従事。 その後クレディスイス証券株式会社を経て2012年KLab株式会社入社。 KLabでは海外子会社の取締役等を歴任。2016年上場会社として初の信託を活用したストックオプションプランを実施。 2015年医療系ベンチャーの取締役財務責任者に就任。 2018年よりSOICO株式会社の代表取締役CEOに就任。公認会計士。