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経営企画職の年収|年収に影響する要素・年収を上げる方法について解説
執筆者:茅原淳一(Junichi Kayahara)
CFOになるには?キャリアパスも解説
経理/会計/財務/経営企画などの管理部門としてのキャリア
経営企画職は、会社運営の方向性を定める、非常に重要な職務です。重要な職務であるがゆえに、幅広い知識や高いスキルが求められます。しかし、同時にやりがいや高収入を得ることも可能です。経営企画職の年収は、日本の平均年収や、同一企業の他部署の年収と比べて高い傾向にあります。
本記事では、経営企画職の年収に注目し、経営企画職の将来性について詳しく解説していきます。経営企画職の年収の特徴、平均年収、年収を左右する要素、また年収を上げる方法などをご紹介しますので、経営企画職へ転職を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
企業の財務に関連する活動の責任者であるCFOについては、こちらの記事もご参照ください。
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⇒CFOの平均年収はいくら?相場を詳しく解説!
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目次
経営企画とは
経営企画とは、会社運営を左右する部門の1つです。企業によっては重要な職種であるため、社長や重役が担当するケースもあります。
経営企画は事業企画と混同されがちですが、経営企画と事業企画は違う種類の仕事です。事業企画とは、企業が取り組んでいる1つの事業について企画します。その事業の目標設定や目標達成のための道筋を計画します。しかし、経営企画は1つの事業だけでなく、企業全体の企業目標の設定、目標達成のための計画、立案、管理すべてを含んだ仕事です。
経営企画職に特別な知識やスキルが必要であるということはありませんが、AIの出現など世の中の変化に応じ、業務において求められる知識やスキルは今後も増加傾向にあるでしょう。したがって、経営企画は、業界全体の動向を察知し、さまざまな情報に精通している必要があります。また、業務内容によっては、経理的知識や社内事業に関する幅広い知識も求められるでしょう。
経営企画部門については、次の記事もご参照ください。
⇒経営企画部門とは?業務内容・部門の重要性・求められるスキル・能力について徹底解説
経営企画職の仕事内容
経営企画職の役割は企業によってさまざまです。しかし、基本的に経営企画職の仕事内容は、以下の業務もしくは関連する業務になります。
・経営計画の立案
・経営管理
・ステークホルダーとの調整
・新規事業企画
・コーポレートガバナンス・IR対応
たとえば、経営企画部門では「経営計画の立案」を行います。経営計画の立案には、外部環境と市場の分析、自社が進行している事業ごとの計画と目標を再度考慮することなどが含まれます。業界の変化に応じて、各部署とコミュニケーションを取り計画を調整しながら、解決策を素早く見いだす必要があります。
経営企画の仕事は、自社の生産性を最大化させ、利益を生み出す組織経営を行うことです。そのために、予算は重要なポイントになります。経営計画をもとに予算の策定・管理を行うことも経営企画職の仕事の1つです。中長期間の視点で企業のリソースの動向を管理します。
経営企画職の年収の特徴
経営企画職は、企業の経営を左右する重要な仕事です。重大な責任やスキルが求められていることから、日本全体の平均年収よりも高い年収であると言えます。
経営企画職の年収の3つの特徴をご紹介します。
・他部署と比べて高め
・転職・勤続年数に比して年収が上がる
・福利厚生が充実している
他部署と比べて高め
上述したとおり、経営企画職は企業において重要な職種であり、会社の方向性を定める重大な責任があります。そのため、経営企画職の年収は「他部署と比べて高め」なことが特徴です。
企業内において最も高い年収を得ている場合もあります。一般的に経営企画職は、日本人が得ている平均年収より高収入な傾向にあります。
転職・勤続年数に比して年収が上がる
経営企画職では、年収アップを期待できます。経営企画職は、「転職・勤続年数に比して年収が上がる」傾向にあります。
転職や人事異動の中でも、CFO(最高財務責任者)は大きく年収が上がることが期待できます。どのような職種から転職するかによりますが、経営企画は将来的にCFOとしてのキャリアとして考えることが可能です。CFOは、IPOを控えるベンチャー企業などにおいては、その業務内容の範囲や職責の大きさから1,200万円から1,800万円の年収水準であることが多いというデータもあります。
現在の年収に不満を感じている、またはキャリアアップを考えている人に経営企画職は、1つの選択肢として考慮できます。
CFOおよびCFOの年収については次の記事もご参照ください。
⇒CFO(最高財務責任者)とは?定義・意味から役割・仕事内容・なり方・キャリアパスまで徹底解説!
⇒CFOの平均年収はいくら?相場を詳しく解説!
福利厚生が充実している
経営企画職は、企業にもよりますが「福利厚生が充実している」ことも特徴としてあげられます。福利厚生が充実していれば、働きやすい環境を整えることも可能です。
企業によって福利厚生の内容はさまざまなため、事前に確認することをおすすめします。とくに外資系企業の場合は、福利厚生の内容が大きく異なる場合があるため確認しましょう。
経営企画職の平均年収
2021年に行われた国税庁の「民間給与実態統計調査」によると、経営企画職の平均年収は550万円ほどです。この数字は、日本の平均年収と比べると高い傾向にあります。国税庁の調査によると、日本の給与取得者数5,270万人に対して、その平均年収は443万円でした。
経営企画職の年収を左右する要素
経営企画職の年収は、事業を取り巻く外部環境や個々人の人事評価などさまざまな要素によって決まります。ここでは、経営企画職の年収を左右する、以下の2つの要素に注目します。
・企業の規模
・所持している資格
企業の規模
経営企画職の年収を決定づける要素の1つに「企業の規模」があります。日本にはさまざまな規模の企業が存在します。一般的に、大手企業の方が中小企業などと比べると年収が高い傾向にあります。
たとえば、年間売上が10億円の中小企業と年間売上が10兆円の大手企業では、経営企画における平均年収は大きく異なります。前者では、300万円〜800万円程度の年収であったり、後者では600万円〜1200万円にて経営企画の仕事を募集していることもあります。
しかし、大手企業の子会社や資金調達に成功したスタートアップ・ベンチャー企業においても高待遇で経営企画職を募集していることもあるので、一概に大手企業だけが高年収という訳ではありません。
所持している資格
「取得する資格」という要素も、経営企画職の年収を大きく左右します。経営企画職に関する幅広い知識を身に付ける資格などがあります。
たとえば、簿記や中小企業診断士、またMBA(経営学修士)などは経営企画職での実務に大きく影響します。
また、TOEICの高得点を保持することで高待遇な外資系企業の経営企画への門戸が開かれたり、公認会計士の資格を取得することで、ファイナンスまで含む高度な経営企画を担当するプレイヤーとして働くことを期待され、高年収になる可能性もあります。
経営企画職で年収を上げる方法
経営企画職に限らず自身の職域において年収を上げることは、多くの人にとって関心が高いでしょう。規模の大きな企業への転職や資格を取得することで手当などベース給与を上げることも年収を上げることに繋がります。また、経営企画部から管理職や役員に昇格することも年収アップが期待できます。
経営企画職で年収を上げるには、以下の4つのスキルを取得して、個人の人事評価を上げることをおすすめします。
・企画書の作成と経営数値の分析スキル
・ビジネスにおける戦略思考
・プレゼンテーション力
・リーダーシップ
企画書の作成と経営数値の分析
経営企画職において、経営計画の策定に必要な経営分析能力は必須です。収益性や安全性などを分析するために「経営数値の分析」を行うことが求められます。日々の業務の中で触れる経営数値の分析においても専門性を高めたり、自社事業に精通しておくことで正確なアウトプットを出せるように職能を磨くと良いでしょう。
また、経営分析の結果を企画書としてまとめる能力も経営企画職には求められます。誰でも理解できるわかりやすい「企画書の作成」は、経営企画職に必須なスキルです。
ビジネスにおける戦略思考
近年、ビジネスにおけるさまざまな分野で急速なアップデートが行われています。経営企画職の中で「できる人材」として評価されるには、「ビジネスにおける戦略思考」が大きく影響するでしょう。業界で起きている新たなビジネスシーンの枠組みを理解し、その枠組みを自社事業にどのように導入するかを具体的にイメージ・企画書として具体化できることが求められています。
そのためには、情報収集と思考・分析のトレーニングが重要です。競合他社の分析や市場の分析、また最新のマーケティング動向などの情報収集を行うことで、近年の急速なビジネスモデルの変革も捉えた提案や分析にも繋がっていきます。
プレゼンテーション力
経営企画職において年収を上げる方法の1つに「プレゼンテーション力の向上」があります。経営企画職は経営会議や株主総会などで経営計画などをプレゼンテーションします。
企画案の提案者がプレゼンテーションを担当する場合が多いですが、プレゼンテーションが苦手であったり、他の人が発表する方が適任となってしまうと人事評価にて企画提案者の評価がプラスに働くことはありません。
プレゼンテーションをする際も、凝ったパフォーマンスや奇抜なプレゼンテーションをする必要はなく、「スライド1枚の中で1番伝えたいこと」をシンプルに分かりやすく、かつ簡潔に伝えることがとても重要です。
リーダーシップ
プレゼンテーション力に並び、経営企画職において重要なスキルに「リーダーシップ」があります。リーダーシップがある人材は「できる人材」として年収を大きく上げることにつながるでしょう。
たとえば、チームリーダーやプロジェクトリーダーに積極的に提案していくことでリーダーシップを発揮できます。リーダーシップを発揮することで、チーム運営に大きく貢献できる人材として評価されるでしょう。
経営企画経験者のキャリアパス
経営企画職は、企業の経営を大きく左右する重要な職種です。そのため、経営企画職の経験者の評価は他の職種と比べて高くなります。キャリアパスには理想的と言えるでしょう。
たとえば、経営企画から執行役員、取締役というキャリアアップは珍しくありません。経営幹部になれば、年収も大きく上がることでしょう。経営企画において実績を積み、企業の成長に貢献し、経営者の信頼を獲得できれば、取締役会の役員(ボードメンバー)入りも可能です。
また、経営企画職での経験は、ベンチャー企業や外資系企業からのヘッドハンティングの目にもとまることでしょう。経営企画は、経営分析の専門家です。培ったスキルや経験は、企業内の成長に大きく貢献するだけでなく、優秀な経営企画として業界に広く知れ渡ります。そうなると、自分の価値を高めることにも繋がります。
経営企画のキャリアについては次の記事もご参照ください。
⇒経営企画のキャリアの考え方|経営企画の業務とキャリアパス・必要なスキルを詳しく解説
経営企画の将来性
経営企画の仕事は、企業の方向性を定める重要な職種です。企業において直接的に経営に携わる仕事であり、幅広い知識や専門的なスキルが求められています。どんな人材でも行える職種ではありません。
近年、テクノロジーの発展によりAIの活用が注目されています。将来的には、AI技術によって多くのことが成し遂げられていくことでしょう。しかし、現段階において、AIは高いリーダーシップやプレゼンテーション力、また高い戦略思考を示すことはできません。そのため、経営企画職はAIに取って代わられる可能性は低く、経営企画職の将来性はあると言えます。今後、経営企画職が益々注目されていくことでしょう。
まとめ
この記事では、経営企画職の年収に注目し、経営企画職の将来性について詳しく解説してきました。
経営企画職は、幅広い知識や専門的なスキルが求められ、企業の成長に大きく影響する職種です。そのため、他の職種と比べると年収は高い傾向にあります。しかし年収を上げるためには、求められているスキルを取得し、経営者やボードメンバーの信頼を獲得し「できる人材」として評価されることが必要です。
本記事が、今後のキャリアを考えている方や社内のキャリアに関わるポジションの方のご参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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この記事を書いた人
共同創業者&代表取締役CEO 茅原 淳一(かやはら じゅんいち)
慶應義塾大学卒業後、新日本有限責任監査法人にて監査業務に従事。 その後クレディスイス証券株式会社を経て2012年KLab株式会社入社。 KLabでは海外子会社の取締役等を歴任。2016年上場会社として初の信託を活用したストックオプションプランを実施。 2015年医療系ベンチャーの取締役財務責任者に就任。 2018年よりSOICO株式会社の代表取締役CEOに就任。公認会計士。