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経理職で副業をするには?副業経理の探し方・注意点・メリット・デメリットについて解説
執筆者:茅原淳一(Junichi Kayahara)
CFOになるには?キャリアパスも解説
経理/会計/財務/経営企画などの管理部門としてのキャリア
新型コロナウイルス感染症の影響でテレワークが普及し、余った時間で副業をしてみたいと思う方が多いようです。副業を認める会社も増加傾向にあり、受け入れに関しては中小企業が積極的です。では、経理で副業をすることは可能でしょうか。どのように経理の副業を探せばいいのでしょうか。
本記事では、経理で副業が可能なのか、副業の経理代行業務の探し方をご紹介します。また、経理で副業をするメリットとデメリット、経理で副業を行う際の注意点もご紹介するため、経理で副業を行いたいと思っている方、経理でどのような副業ができるかを考慮している方は、ぜひ参考にしてください。
企業の財務に関連する活動の責任者であるCFOについては、こちらの記事もご参照ください。
⇒CFO(最高財務責任者)とは?定義・意味から役割・仕事内容・なり方・キャリアパスまで徹底解説!
⇒CFOの平均年収はいくら?相場を詳しく解説!
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⇒CFOに役に立つ資格|CFO資格認定・FASS検定・公認会計士について解説
⇒公認会計士からCFOは目指せる?求められる役割とCFOに転職するメリットについて解説
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目次
経理の仕事
経理の主な仕事は、日常的な入金や支払いの管理や取引の流れを記録することです。取引を数字として記録し、帳簿を作成します。また月に1回、年に1回などのペースで決算業務を行うことも経理の仕事に含まれています。
具体的な業務内容は、以下の通りです。
・売上の記録と管理
・仕入れの処理と記録
・売掛金管理
・給与の支払いと記録
・保険料支払いと記録
・従業員の経費の精算と記録
・資産購入や売却時の処理と記録
経理の仕事については以下の記事もご覧ください。
⇒経理部門とは?業務内容と仕事のサイクル・やりがい・待遇について解説
⇒経理部門の仕事とは?主な仕事内容・日次/月次/年次のサイクルについても解説
経理で副業は可能か
経理職で副業が可能か考慮している方は多いようです。副業に関して厚生労働省が定めているルールに従えば、経理職で副業を行うことは可能です。
2023年7月に改訂され、厚生労働省が発表した「モデル就業規則」には「副業・兼業」の定義が示されています。簡単にまとめると副業を行うには以下のようなルールを守る必要があります。
・副業をする際には、会社に事前に届出を出す必要がある
・企業秘密が漏えいする場合など4つの場合で、会社が副業を禁止または制限する権利がある
副業で経理の仕事を行いたいと考えている場合、まず会社が副業を認めているか確認しましょう。そして、会社の就業規則などを確認し、事前に会社に副業の許可を求めることも重要です。会社により副業を行うことが許可されていても、副業の内容に制限がある場合もあります。事前によく確認することが大切です。
就業規則と副業については、次の記事もご参照ください。
⇒就業規則の作成について|就業規則の作成手順と記載事項・作成時の注意点も解説
⇒就業規則で副業は解禁すべき?副業を解禁するメリットと注意点について解説
副業の経理代行業務を始める前に
副業の経理代行業務を始める前に抑えておきたいポイントを2つご紹介します。
2つのポイントは、以下の通りです。
・経理業務の実務経験
・資格の取得
それぞれについて解説していきます。
経理業務の実務経験
一般的に経理に関する案件の受注には、3年ほどの実務経験が求められる場合がほとんどです。そのため、副業で経理代行業務を行う前に「経理業務の実務経験」を積んでおくことをおすすめします。
経理業務の経験がない方は、経理職に転職し実務経験を積むことが必要です。経理業務の経験がある方は、副業のための時間を確保しましょう。平日の通常業務後の時間や、土日などの休日の時間を利用して副業を行うことができるでしょう。
資格の取得
副業で経理代行業務を行うために、資格があると効果的に仕事を受注できるでしょう。副業として経理業務を依頼する側は、即戦力になる人材に業務を委ねたいと思います。そのためには、経験や実績がアピールポイントになるでしょう。資格の明記により依頼者側は判断しやすくなります。具体的に明記しましょう。
経理に関する資格を取得していれば依頼者側は即戦力として期待し、受注につながる確率は高まります。また、決算業務に携わった経験や会計ソフトの入力経験などもアピールポイントです。
経理職に役に立つ資格については、こちらの記事もご参照ください。
⇒経理職に役に立つ資格|資格が有利に働く場面とおすすめの資格について解説
副業の経理代行業務の探し方
副業で経理代行業務の探し方にはいくつかありますが、以下の2つをご紹介します。
・副業のマッチングに特化したクラウドソーシングサービス
・経理代行業務の専門業者への登録
副業のマッチングに特化したクラウドソーシングサービス
副業の経理代行業務を探すには「クラウドソーシングサービス」がおすすめです。クラウドソーシングサービスとは、リモートワークや副業で行う案件を紹介してくれるインターネットによるサービスのことです。新型コロナウイルス感染症の影響にともないテレワークが普及し、クラウドソーシングサービスによる在宅ワークの案件の受注が増加しています。企業だけでなく個人がクラウドソーシングサービスで経理業務の代行を依頼することが増え、在宅や副業で経理業務が行いやすくなりました。
クラウドソーシングサービスによる経理業務の単価は低い傾向にあるようですが、複数のクラウドソーシングサービスに登録することで案件の受注も増え、収入も増える可能性があります。
また、クラウドソーシングサービス内の個人アカウントのサイト内評価も案件の受注に関係するため、初めは簡単にできる案件をいくつか行って評価を上げることをおすすめします。
経理代行業務の専門業者への登録
「経理代行業務の専門業者への登録」も、副業で経理を行いたい方におすすめです。この方法は、経理代行の専門業者で公式ホームページを解説している業者に、インターネットを通じて業務を応募する方法です。
「経理代行」や「記帳代行」といったキーワードで検索すると経理代行業務の専門業者のホームページを見つけられます。また、検索で地名キーワードを入れれば、近くの経理代行業務の専門業者を見つけることも可能です。
専門業者への登録のメリットは、定期的に案件を受注できる可能性が高いことでしょう。経理代行業務の専門業者へ登録していれば、経理業務の実務経験や資格、スキルに応じて業務を受注することが可能です。
また、求人サイトの中にも経理代行業務を募集している専門業者を見つけられます。インターネットの検索で「経理代行 求人サイト」と入力すれば、多くの経理代行業務の求人サイトを見つけ出せます。その中から自分の状況に合うものを選択しましょう。
経理職に役に立つ資格については、こちらの記事もご参照ください。
⇒経理職に役に立つ資格|資格が有利に働く場面とおすすめの資格について解説
経理副業のメリットとデメリット
ここからは、副業で経理を行うメリットとデメリットをご紹介します。副業で経理を行う前に、その業務のメリットとデメリットを理解しておくことで、効果的に副業を行えるでしょう。
副業で経理を行いたいと思っている方は、ぜひ参考にしてください。
経理副業のメリット
経理副業のメリットにはいくつかありますが、以下の3つをご紹介します。
・本業以外の収入が得られる
・空き時間の有効活用ができる
・副業を通して実務の経験を重ねスキルの向上が期待できる
本業以外の収入が得られる
副業で経理を行うメリットの1つに「本業以外の収入が得られる」ことがあります。つまり、まとまった報酬が受けられるということです。
経理の仕事は専門的なスキルが求められる場合が多いため、業務に対する報酬は比較的高い傾向にあります。場合によっては、本業をしのぐ収入を確保している方もいます。また、会社の昇給やボーナスには限りがありますが、副業での経理業務は自分のスキルや経験などを存分に活かしさらに収入を得ることができるでしょう。
空き時間の有効活用ができる
副業で経理を行うメリットには「空き時間を有効活用できる」こともあります。企業の経理部門での業務やオフィスでの経理業務には、通勤時間がかかります。しかし、在宅ワークで行う副業での経理業務には、通勤時間がかかりません。ある程度時間の融通がきく案件も多いため、空き時間を有効活用できます。
子育てや親族の介護などを行っている方にとって、在宅ワークでの経理業務は最適の仕事でしょう。勤務時間に融通がきけば自分の必要な時間帯に業務が行えるため、おすすめです。
副業を通して実務の経験を重ねスキルの向上が期待できる
副業で経理を行うことのメリットは「スキル向上が期待できる」こともあります。副業で経理代行業務を行うとしても、経理実務経験を積むことが可能です。経理業務に慣れることでより効果的に仕事を行えるようになり、スキルが向上します。
副業の経理業務で獲得したスキルや経験は、転職などのキャリアアップにも活かせることでしょう。また、スキルアップを続けていくことで、税理士や会計士、中小企業診断士などとして活躍できます。
経理副業のデメリット
副業で経理を行うことには多くのメリットがある一方、デメリットもいくつかあります。事前にデメリットを把握しておくことで、効果的に業務を行えるでしょう。
ここでは、経理副業の3つのデメリットをご紹介します。
・会社によっては厳しい評価も
・本業と副業の繁忙期の重複
・仕事の依頼が希望と合わないことも
会社によっては厳しい評価も
副業で経理を行うデメリットの1つは「会社によっては厳しい評価もある」ということです。経理業務は専門的な業務で金銭および企業の資金を扱います。そのため、依頼者の中には厳しい評価をしてくる場合があるでしょう。
専門的な業務であるからこそクライアントの要求も多いですが、その分報酬も高いことが特徴です。定期的に案件をこなし、依頼者の信頼を勝ち得ることが重要です。
本業と副業の繁忙期の重複
副業で行う経理業務には「本業と副業の繁忙期の重複」のデメリットがあります。副業の経理業務と本業の決算時期が一緒のため、繁忙期が重なりやすいでしょう。
月次の場合は月初、年次の場合は4月〜5月(3月決算の場合)に忙しくなります。経理副業の案件も同じ時期に増える可能性があり、本業と繁忙期が重なる恐れがあります。そうなると、副業として引き受けられる案件も限りが出てきてしまうでしょう。
仕事の依頼が希望と合わないことも
副業で経理を行う場合「仕事の依頼が希望と合わないこと」もあります。副業として経理を行いたい側としては、コンスタントに仕事の依頼を受けたいものです。しかし、経理代行業務は、人手が足りないときの単発案件の業務が多いことが特徴です。
たとえば、短期間だけの案件のためにクラウドソーシングサービスを利用するクライアントも多いことが現状です。経理の仕事に関しては、決算時期などのニーズの高まる時期が限られているため、年中案件があるわけではありません。副業で安定した報酬を得ていくためには小さな案件を多くこなし、経理の実績を積み、クライアントの評価を高めていくことが重要です。
経理で副業を行う注意点
副業で経理を行うことには多くのメリットがある一方、注意するべき点もいくつかあります。
副業で経理を行えば、空き時間の有効活用により本業以外の収入が得られ、スキルや経験も向上させることが可能です。しかし、空き時間を副業に当てているため家族の時間や自分個人の時間が取れず、ストレスを抱える危険があります。
また、空き時間に仕事をするため、休む時間が無くなり健康にも悪い影響を及ぼすでしょう。
本業と副業のスケジュールを管理することが重要です。休息はしっかり取り、仕事以外の時間も確保することで、副業を効果的に行っていきましょう。
まとめ
本記事では、経理で副業が可能なのかや副業の経理代行業務の探し方、経理副業のメリットやデメリットなどをご紹介してきました。
副業での経理代行の仕事は、専門的なスキルや経験が求められる需要の高い仕事です。特別な資格がなくても行える業務ですが、資格があれば案件獲得に有利になることでしょう。また、経理の実務経験も求められる職種なため、本業で経理を行っている方にはおすすめです。
今後フリーランスを目指している方や、将来のキャリアアップのためにスキルを向上させたい方のご参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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この記事を書いた人
共同創業者&代表取締役CEO 茅原 淳一(かやはら じゅんいち)
慶應義塾大学卒業後、新日本有限責任監査法人にて監査業務に従事。 その後クレディスイス証券株式会社を経て2012年KLab株式会社入社。 KLabでは海外子会社の取締役等を歴任。2016年上場会社として初の信託を活用したストックオプションプランを実施。 2015年医療系ベンチャーの取締役財務責任者に就任。 2018年よりSOICO株式会社の代表取締役CEOに就任。公認会計士。