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経営企画職の仕事はつらい?経営企画職がつらいと言われる理由と対処法を解説
執筆者:茅原淳一(Junichi Kayahara)
CFOになるには?キャリアパスも解説
経理/会計/財務/経営企画などの管理部門としてのキャリア
経営企画の仕事は、経営陣と共に企業の将来を方向づける重要な職種です。企業の成長に直結し、それを感じられる点でやりがいを感じられる仕事ですが、その責任の重大さから大きなプレッシャーを感じ、つらいと思う方も少なくありません。
そこで本記事では、経営企画職がつらいと言われる理由とつらさを乗り切る対処法をご紹介します。経営企画職のキャリアパスも併せてご紹介するため、経営企画部門からキャリアアップを検討している方や、経営企画部門にキャリアチェンジすることを視野に入れている方は、ぜひ参考にしてください。
企業の財務に関連する活動の責任者であるCFOについては、こちらの記事もご参照ください。
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目次
経営企画部門の重要性
経済成長が低迷する中、倒産する企業も増え、売上に影響が出ている企業も少なくはないでしょう。そのような中、経営企画部門の仕事の重要性は、ますます高まっています。なぜなら経営企画職は、企業が継続的に経営を行い、競合他社との競争に打ち勝つための企業価値を維持・向上していくために必要な部門だからです。
経営企画職の役割には、企業の経営戦略の立案、市場や競合他社の経営状況を分析しリスク管理することが含まれます。経済状況は常に変化するものですが、その変化する経済環境の中で企業価値を高めることを目的にした業務を中心に行う経営企画職の必要性は変わることがありません。
ビジネス環境が急速に変化している日本において、従来のビジネス方法では競合他社との競争に打ち勝つことが難しくなっています。そのため、優位性を保ちつつ企業が成長し続けるために、新しい市場を開拓し、競合他社と差別化を図ることが求められています。事業を成長させて、企業の価値を高めることにつながるスキルを持つ経営企画は、今後も企業にとって重要な部門となるでしょう。
経営企画の重要性については、以下の記事もご覧ください。
⇒経営企画のキャリアの考え方|経営企画の業務とキャリアパス・必要なスキルを詳しく解説
経営企画職がつらいと言われる理由
経営企画職はやりがいが大きい仕事ですが、その重要性から大きなプレッシャーを感じ、つらいと思う方も少なくありません。
経営企画職がつらいと言われる9つの理由をご紹介します。
・他の職種に比べて残業が多い
・社会のトレンドへアンテナを向ける
・幅広い知識が必要
・他部署との関係が大変
・資料作成などの雑務が多い
・忙しい時期と暇な時期の差が大きい
・企業の今後にも関わる責任の重さ
・精神的な苦労が多い
・現場と経営陣の間に軋轢が生まれることも
他の職種に比べて残業が多い
経営企画職がつらいと言われる理由の1つは「残業が多い」ことです。経営企画の仕事は、企業の経営戦略に沿った幅広い業務が含まれます。そのため、時間外の不規則な仕事リズムや長時間勤務もあります。
また経営企画職は、予期しない突発的な事故やトラブルにも対応しなくてはならないため、急に時間外労働を強いられる可能性があります。たとえば、サプライチェーンの乱れや、新型コロナウイルス感染症による稼働停止などの影響に対処していく必要があります。
社会のトレンドへアンテナを向ける
経営企画職は、常にトレンドへアンテナを向けている必要があります。ビジネス環境は常に変化しています。たとえば、近年ではDX化が進み、経営企画が企業の先頭に立ちデジタル技術を活用した新たな取り組みが求められるでしょう。
競合他社との差別化を図ったり、経営陣への立案や企業体制の調整などを行ったりするには、DXやAIなどの社会のトレンドへアンテナを向けて、精通しておく必要があります。
幅広い知識が必要
経営企画職の仕事には幅広い知識が求められます。1つの分野の知識だけを極めれば良いということではありません。市場のあらゆる分野での知識が求められるため、日々の勉強は必須です。
業界知識や隣接分野などの幅広い知識を得るためには、本を読んだりセミナーに参加したりすることが必要ですが、これらの活動は通常業務時間外に行われます。休日返上で仕事のことを考えなければならないため、つらいと感じる方も多いようです。
他部署との関係が大変
経営企画職がつらいと言われる原因の1つに「他部署との関係が大変」ということがあります。経営企画の仕事は、他部署とのコミュニケーションが欠かせません。経営企画部門は、経営陣の意向や方針を他部署に伝えますが、その際に理解が得られず不満を言われることも多くあります。
そのような場合、経営陣の意向や方針と他部署の意見をすり合わせる必要があり、経営企画部門はその役割を担います。そのためストレスが溜まりやすく、つらいと感じる方も多いです。
資料作成などの雑務が多い
経営企画職は、他部署と比べて「資料作成などの雑務が多い」傾向にあります。営業部や経理部などでも資料作成は行われますが、企業の業種や文化にもよりますが一般的に経営企画部の資料作成は他の部署で行われる資料作成量の2倍ほどです。
たとえば、毎月定例報告をしたり、新たな施策の提案書を制作したりと、他部署への報告書の作成などが多いです。また、会議の議事録や単純なデータ入力などの新卒や若手社員が行うような雑務をすることもあります。主体的に動ける直接部門と比べると退屈な業務が多く、ストレスになる可能性があります。
忙しい時期と暇な時期の差が大きい
経営企画職がつらいと言える理由には「忙しい時期と暇な時期の差が大きい」ことも関係しています。経営企画職は、定期的な業務が多い部門ではありませんが、プロジェクトなどの業務が重なる時期は忙しくなります。一方、比較的に見て暇な時期もあり、落差が激しいことが現状です。
仕事がない時期は従業員の気持ちを暗くします。自分で仕事を見つけて作業することが増えるため、つらいと感じる方が多いようです。また、少数精鋭の経営企画部は、従業員1人あたりにかかる業務量が必然的に多くなります。そのため、忙しい時期は仕事がきつい、苦しいと感じてしまいます。
企業の今後にも関わる責任の重さ
経営企画職は、企業の今後にも関わる重要な職種です。その責任の重さから、経営企画の仕事をつらいと感じる方も多いようです。専門性の高い、幅広い知識やスキルが求められます。また、自分自身の提案で企業の経営が大きく変わることもあります。その責任の重さからいつも気が抜けず、気苦労を感じることも少なくありません。
経営企画はプロジェクトを立案しますが、すべてのプロジェクトが成功するとは限りません。プロジェクトが成功しない時は、責任を感じやすくストレスになることがあります。
精神的な苦労が多い
「精神的な苦労が多い」ことも、経営企画職がつらいと感じる理由の1つです。経営企画職の仕事はその性質上、企業の経営陣と関わることが多い職種です。経営陣と直接関わることは、事業構築や財務など企業経営に関するさまざまなスキルやノウハウを蓄積し、1人のビジネスマンとして成長するための良い機会です。しかし、いつも気が抜けず精神的にも気苦労が多い部署であるとも言えます。
経営陣との相性が悪ければ、精神的につらい思いをすることも考えられます。また、企業の業績が悪いときは、経営陣から辛辣なコメントを受けたり、厳しい経営対策を求められたりすることもあります。さらに、経営不振の時には従業員の給与を下げたり、リストラを行うことに関わったりすることもあるため、精神的な苦労が多いです。
現場と経営陣の間に軋轢が生まれることも
経営企画職は、経営陣と現場をつなぐ関節のような役割を果たします。そのため、現場と経営陣の間に軋轢が生まれ、両者の板挟みになることも少なくありません。
経営陣からは経営視点で意見を言われ、現場からは現場視点での意見が挙がります。現場からの不満に対応することも経営企画部門に求められています。ものごとの調整や両者との交渉がうまくいかないときは精神的なストレスとなり、つらいと感じてしまう人も多いでしょう。
経営企画・つらさを乗り切る対処法
経営企画職をつらいと感じる方が多い中、つらさを乗り切る対処法もあります。ここでは、いくつかある対処法の中から3つご紹介します。
経営企画職のつらさを乗り切る対処法は、以下の通りです。
・自分の時間を確保しストレスを発散する
・異動・転職を考慮する
・専門知識を身に着ける
自分の時間を確保しストレス発散する
経営企画職の仕事のつらさを乗り切る対処法の1つは「自分の時間を確保しストレスを発散する」ことです。たとえば、スポーツをしたり、長期休暇を取って旅行をしたりすることも良いでしょう。どのようなストレス発散法でも、自分の時間を確保し、仕事を忘れ楽しめる時間を過ごすことが大切です。
適度な運動がストレスを緩和することは、脳科学的にも証明されています。運動することで脳の血流が良くなり脳が活性化されます。また、旅行など自分の好きなことを行うなら、気持ちをリセットでき、仕事へのモチベーションにつながるでしょう。
異動・転職を考慮する
経営企画の仕事をどうしてもつらいと感じるなら「異動・転職を考慮する」ことも選択肢として考えることもできます。異動・転職を考慮する場合、自分のキャリアをよく考え、自分に合った部署を選びましょう。
経営企画職がつらいと感じる原因には、周囲の人や働く環境が合わないことが原因かもしれません。経営企画の仕事がつらいと感じているなら我慢せず、異動・転職を考慮して環境を変えてみましょう。経営企画の転職には他社の経営企画部門の他にも、コンサルティングファームやベンチャー企業・スタートアップ企業への転職なども考慮できます。
経営企画職の転職については、以下の記事を参考にしてください。:
⇒経営企画のキャリアの考え方|経営企画の業務とキャリアパス・必要なスキルを詳しく解説
専門知識を身に着ける
経営企画職のつらさを乗り切るための対処法に「専門知識を身に着ける」こともあります。専門知識を身に着けるなどのスキルアップを図ることで、経営企画職を新たな視点で見ることができるようになり、やりがいも感じることが可能です。
経営企画職に求められている専門知識の中には、経済・経営や会計に関する知識やデータ分析のための統計学の知識などがあります。そのような知識を習得するには、経済学・経営学や会計学などの勉強に取り組む必要があるでしょう。さらに、データ分析力のスキルアップのために統計学やプログラミングなどの勉強もあります。
経営企画のやりがい
経営企画の仕事はつらいと言われがちですが、やりがいを感じることも多い仕事です。やりがいを感じられる大きな理由の1つには、経営企画職が企業にとって重要で、持続的な企業の成長に欠かせない部門であるからです。
経営企画職に就く人材は、一般的に企業から期待されていることが多いでしょう。企業の中枢に関わる仕事を経験して、将来は企業の管理職としての仕事が期待されています。また、経営企画の仕事はつらい面もありますが、結果を出せば将来、子会社の社長やCFOになれるチャンスがあります。
経営企画の仕事はつらいと言えるかもしれませんが、重大な責任やスキルが求められていることから、他部署と比べて年収が高い傾向にあります。年収が高いことは、やりがいにもつながります。
経営企画職のやりがい・年収については、以下の記事も参考にしてください。
⇒経営企画部門とは?業務内容・部門の重要性・求められるスキル・能力について徹底解説
⇒経営企画職の年収|年収に影響する要素・年収を上げる方法について解説
経営企画職のキャリアパス
経営企画職のキャリアパスは、主に以下の3つのケースに分けられます。
・経営企画の経験を積み、同職への転職
・CFO(最高財務責任者)
・経営コンサルタント
経営企画の仕事は、定型業務ではなく突発事項を中心に展開するのが特徴です。そのため、経営企画に職は経験が求められます。経営企画職としてキャリアを積めば、他企業においても貴重な人材になり得ます。
また、経営企画職は、CFO(最高財務責任者)へのキャリアパスも考えられます。CFOは、企業内の部門ではなく役員であるため、経営企画のキャリアパスの中では、最もレベルの高いものになります。
CFOへの転職は、財務分野に加え、営業や製造などの直接部門での業務やあらゆる分野のキャリアも必要です。企業全体を統括し、会社の存続に大きな影響を与える人材として活躍できるでしょう。
経営企画職のキャリアパスには、経営コンサルタントとしての活躍もあります。経営企画部門は、企業内の複数の部門を調整する業務も行い、親会社になれば子会社の経営状況を把握することが必要です。そのような企業を俯瞰し統括するスキルは経営コンサルタントにも必要でしょう。
経営企画職としてのキャリアは、経営トップと共に経営改善を行う、経営コンサルタントに必要な能力と共通しています。企業内で経営コンサルタントとして活躍することも可能ですが、独立して経営コンサルタントとして活動することもできるでしょう。
CFOへの転職・経営企画職のキャリアについては、以下の記事を参考にしてください。
⇒CFO転職の方法とは?CFO転職のメリットやキャリアパスも徹底解説!
⇒経営企画のキャリアの考え方|経営企画の業務とキャリアパス・必要なスキルを詳しく解説
まとめ
本記事では、経営企画職がつらいと言われる理由と、そのつらさを乗り切るための対処法について解説してきました。
経営企画職は、企業内の間接部門の中でも特に高いレベルのスキルが求められる部門です。そのため、つらいと感じる方が多いのが現状です。しかし、経営企画職は企業にとって重要な部門であり、そこで働く人材は、経験を積んでいくことで、社内でさらに高い地位を得られる可能性があります。
今後のキャリアを考えている方や、社内のキャリアに関わるポジションの方のご参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
また、管理部門の職種としてキャリアアップしたい方、さらにCFOとして経営参画も視野にいれている方は、プロの専門家に相談するのが一番です。
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この記事を書いた人
共同創業者&代表取締役CEO 茅原 淳一(かやはら じゅんいち)
慶應義塾大学卒業後、新日本有限責任監査法人にて監査業務に従事。 その後クレディスイス証券株式会社を経て2012年KLab株式会社入社。 KLabでは海外子会社の取締役等を歴任。2016年上場会社として初の信託を活用したストックオプションプランを実施。 2015年医療系ベンチャーの取締役財務責任者に就任。 2018年よりSOICO株式会社の代表取締役CEOに就任。公認会計士。